さてさて日本時間の本日午前3時、早朝に発表されたFOMC声明文。内容は、労働市場の改善について、これまでのイエレン議長の懸念がかなり後退したことを思わせる前向きの評価となった。終了が織り込まれていた資産購入プログラムは予定通り終えることになった。
今回のFOMC声明文は、10月8日の前回FOMC声明文の発表で表面化した欧州の低迷、新興国の減速など世界景気の減速の米国への波及懸念には一切触れず、ドル高に対する警戒にも触れなかった。何人かの地区連銀総裁などが物価の上がり難い環境に対し懸念を示していたが、それも声明文ではトーンダウンは否めなかった。
ドル高(為替相場の水準)については、元より政策目標ではないので触れることはなくても、“為替市場の過度の変動”というような表現では可能なわけで、全般的に市場が抱いた(そして株安につながった)懸念を、 さらに高めるような要素は排除した声明文という印象が強かった。
つまり、市場がやや弱気に傾いているところに、FRBまでもが“弱気の判断” すなわちハト派的なニュアンスを前面に出すことは、この段階では市場の混乱を増すことにつながりかねない。いわゆる“穿(うが)った見方” ということだが、金融市場を心理的にも誘導しようとしているのは、ここまでのFOMCの政策スタンスからも明らかといえる。フォワード・ガイダンスなるものは、その証左といえる。
FRB内部の慎重な見通しは、恐らく3週間後の議事録要旨で明らかになるのではないだろうか。
その点から注目した本日発表の米7-9月期のGDP統計だったが、予想前期比3.0%のところ3.5%という強い内容となった。この結果はまさにFOMCの強気の判断が正しかったことを表すゆえに、ドル建て金価格は売られやすくなる。再び1200ドルの攻防戦に移行したのは、そうした背景によると思われる。
まだ量的緩和を終了しただけですが、ここまでこぎ着けた手腕はお見事としか言いようがない
回収は大変なのは言うまでもないですが、ひょっとしたらどうにかしてしまうのかも。。。