レイバーデー(労働者の日)の連休明けのNY市場は、相場の動きが活発化することが多いのは、この連休を境に夏休みの終わりが意識されることによる。本日は、NY時間外のアジアの後半、ロンドン入りの時間帯から金市場は売り優勢の展開に転じ1270ドル台に入った。そしてロンドンの中盤で先々週8月21日の1273.40ドルを下回るところまで売られている。
何か材料があっての動きではなく、今週は重要指標の発表が目白押し状態ゆえに、その強気の結果に対する警戒感が先行するような形で売りが出ている状況。週末の(米8月の)雇用統計にしても、市場予想は失業率が0.1ポイント改善の6.1%となっているし、(非農業部門の)雇用者数は前月比22万人の増加が予想されている。その通りの数字となると、これで前月比20万人超の雇用増は7ヵ月連続となり、1990年代末のITバブルに浮かれていた好況期以来のこととなる。パートタイマーの増加や労働参加率の低さなどという細目にこだわらなければ、申し分のない数字であって、金が利上げイメージ先行型の下げに見舞われても不思議はない。本日起きているのは、その前哨戦のような相場のように見える。これから30分ほどでNYの通常取引が始まるが、その出だしでさらに売り込まれる可能性もありそうだ。現地の午前10時、日本時間の23時にはISM製造業景況指数が控える。第一弾は1260ドル程度に収れんするような形だろうか。