亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

デフレからの脱却は目指します、しかし2%目標は降ろします・・・・

2015年01月20日 23時42分19秒 | 金融市場の話題

本日は大寒で新月。日本の長期金利(10年債金利)が、ついに初めて0.1%台に入ったと、金融メディアが騒いでいる。原油の下げが50ドル台に入ってから40ドル台半ばまで一気に下げたように、主要国の金利の下げも加速がついて、ここに来て一気に下げた印象が強い。別の表現をするならば、債券価格の上昇に加速がついていると言うこと。

先週はゼロ金利になったと騒いでいた5年債は初めてマイナス金利になったと。ドイツ国債の5年物は、先行して利回りがマイナスとなっていたので、追随したことになる。保有していても金利を生まないばかりか、むしろ償還(満期)時に元本が減ってしまうのが、債券のマイナス金利。金利を生まない金に競争力がつく環境になってきた・・・とは先週ここに書いた。

余剰資金が流れ込んで膨れ上がっていた原油市場から、一気にカネが流出したことで下げが加速したが、債券市場は今が“IN(旬)”ということか。いずれにしても余剰マネーが相場の振れを大きくしている。日本の場合は、言うまでもなく日銀が真ん中に座っており、相場形成がメチャクチャ歪(いびつ)なものになっているのは否めない。

将来のある一定のタイミングで、急に黒田総裁が、「デフレ脱出の御旗は降ろしませんが、目標値となっている2%の追及はしないことになりました。繰り返しますが、デフレ脱却は引き続き追及します・・・。そもそも、こうした政策(2%目標)は本来的に長くは“維持不能”でした」とか表明したとすると、今回のユーロ・スイスの例にならえば国債相場は瓦解するのだろうか。一応、国内債市場の制空権を握っているのは、国内勢であり今や日銀であるから、今回のスイス・フランのようなことにはならないのだろう。しかし、2%の上昇率を実現するために、出来ることは何でも・・・というフォワード・ガイダンスというのも、凄まじい。

それにしても、ECBの量的緩和策の実施の方向性について、企業経営者らとの会合でしゃべってしまうというオランド仏大統領というのも、お粗末といえる。それともドイツ包囲網の形成を狙った新手のドラギ・マジックか???? 22日の理事会が見もので、内容が市場の要求を満たせないものとなり、波乱という可能性もあり得るということか。金市場は、ETFの増減に注目。



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