亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

続、中国

2007年11月19日 18時34分14秒 | トピック
昨日の当欄の最後に中国の貸出規制につき触れたが、コメント欄に貼り付けてもらったように今朝のBloombergがウォール・ストリート・ジャーナルの報道の紹介という形で流していた。深センを巡る資金の動きは、これも書き込みにあるように本土の個人マネーの香港株取得を認めようとしたところ、ならば先に買っておけば儲かるワイと、アングラマネーが大挙して動いたため、慌てて延期したり規制するという流れの中で起きていること。これも金融インフラが未整備な中国ならではの話ではないかと思う。そこで誤解を招くといけないので補足すると、当方が中国での豚肉の値上がりに注目しているのは、貧しいとされる(実際に都市部に比べ貧しい)農村部での豚肉の消費量が上昇しており、それを農村人口8億人の生活水準の上昇を示すバロメターと捉えているため。人間、3度の御飯が食べられるようになると、卵を食べたい肉を食べたいというふうに次を望むもの。いよいよ中国の食糧を含めた消費の底上げが始まったという捉えかたができるわけで、それを豚肉の消費量と価格の推移に見ているというわけ。もっとも、これがいつまでも有効とも考えてはないけれど・・・。すでに中国における豚肉の消費量は日本の2倍だそうな。こうして大豆やその他が家畜飼料作物であるトウモロコシ畑に姿を変えているんだと・・。日本で納豆や豆腐、醤油の値段が上がってしまうわけ。

中国の貸出規制にしても、すでに今年にはいり貸出金利を4度ほど上げており、1年物の貸出金利の基準は7.06%になっている。さらに上げると米国が緩和策に流れている今、人民元の押し上げ材料となるため苦肉の策として行政指導的な動きに出たものという解釈。これ以上過熱させず、しかも殺さずという難しいさじ加減を要する。米国の金融当局とも担当レベルでは緊密な意見交換など行っていると思われる。

金市場は、いよいよ欧米の“祭シーズン”接近で手仕舞いモード。買い場を探る動きが始まるが、来月のFOMCを巡る見通しの「振れ」が乱高下の元になりそうだ。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 物価を力で抑える!? | トップ | シティ投資判断格下げ »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
感謝です (ささやか)
2007-11-20 10:33:38
k先生 いつも様

レス有難うございました。
わからない事・知らない事いっぱいなので、いつも教えていただいて感謝しております。
日本でも第1次オイルショックの時物価を力で抑える動きがあったと記憶しています。
経世済民の立場でものを見たら、そうした動き方もあるのかと思いました。
皆にとって良い結果になるかどうかは別として…
資本主義といっても各国のお国柄・時代・国民性を反映した資本主義になるモノなのですね。
寒さに向かう折御身体大切に御活躍くださいませ。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

トピック」カテゴリの最新記事