金市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)という目先のイベントを通過し目先の売りも一巡。ドルや米長期金利の値動きに沿いながら、変化した環境をどう消化するかといった時間帯に移行している。22日は1775~1790ドルのレンジ内での推移となった。本日はNY時間外のアジア、ロンドンを通して上下10ドルの狭いレンジ相場となっている。
今週、連日予定されている地区連銀総裁を含むFRB高官の講演やオンライン・イベントでの発言は、既に先行した複数(セントルイス連銀ブラード総裁、ダラス連銀カプラン総裁)の地区連銀総裁の発言にて、タカ派的な内容は一定の織り込みが進んでいると言える。本日は、ボウマンFRB理事、アトランタ連銀ボスティック総裁、ボストン連銀ローゼングレン総裁の講演が予定されている。個人的に関心があるのは、ボウマンFRB理事の発言内容。今週のYouTubeで取り上げたように、今回のFOMCではFRB執行部内で意見統一が出来ておらず、(パウエル方針とは異なる)23年の利上げ見通しを投じた理事がいるとみられる。建前上、政権とは一線を画した判断をするFRBだが、それぞれの理事に支持政党はある。ボウマン理事はトランプ前大統領に指名された人物だが、どのような発言をするか興味深い。記憶しておき今後の判断材料にする。
24、25日と連日複数のFRB関係者の講演やパネルなどイベント参加が予定されているが、
それぞれの発言内容はFOMCの直後でもあり、自分の受け止め方としては7月7日に予定されている6月のFOMCの“議事要旨の前倒し公開”のようなものではないかと思う。とはいうものの、それまでの間に発表される経済指標が上下いずれに大きく振れたりすると、修正されることもないこともない・・・のだが。それぐらいのことは、政策運営者として駆け引き上の許容範囲だろう。
22日のパウエルFRB議長の議会証言は議員との質疑応答が注目されたが、FOMC後の記者会見の内容に沿ったもので目立った市場の反応はなかった。
それでも議長発言には今後の方針を示唆するものがあったと思う。インフレ懸念のみに基づいた性急な利上げは実施しないと改めて確認。このところの物価上昇は、経済活動の再開に「直接影響を受けた」部門の動きに影響を受けており、利上げを必要とする「経済のタイト化を示すものではない」とした。つまり前年比30%近く値上がりした中古車など一過性とみられるイレギュラーな項目により押し上げられたもので、経済全体の過熱を示すものではないとの判断がある。
一方で議長は今後の雇用の回復には自信を示した。
「労働供給を圧迫する要因は今後数カ月で弱まるだろう」と指摘。秋には力強い雇用回復が期待できると強調した。就業を阻害しているとされる連邦政府による失業給付の上乗せ給付(特別給付)は、9月初旬に終了するが、全米25州(共和党所属の知事)では前倒しで6月から7月中旬にかけて終了措置が取られている。また学校再開によって子育て中の人々の仕事への復帰が進むこともある。過去最大の求人件数がありながら、就労が進まない足元の問題は、この秋には解消に向かうとの見立てになっている。
議長は引き続き労働市場の「広範で包摂的な」回復を促進するとしている。仮に今後数カ月、雇用が急回復を続けても、白人に比較し高い黒人の失業率なども視野に入れ、そうした改善が見られないうちは適度なインフレは併存させるスタンスを取るとみられる。
今週、連日予定されている地区連銀総裁を含むFRB高官の講演やオンライン・イベントでの発言は、既に先行した複数(セントルイス連銀ブラード総裁、ダラス連銀カプラン総裁)の地区連銀総裁の発言にて、タカ派的な内容は一定の織り込みが進んでいると言える。本日は、ボウマンFRB理事、アトランタ連銀ボスティック総裁、ボストン連銀ローゼングレン総裁の講演が予定されている。個人的に関心があるのは、ボウマンFRB理事の発言内容。今週のYouTubeで取り上げたように、今回のFOMCではFRB執行部内で意見統一が出来ておらず、(パウエル方針とは異なる)23年の利上げ見通しを投じた理事がいるとみられる。建前上、政権とは一線を画した判断をするFRBだが、それぞれの理事に支持政党はある。ボウマン理事はトランプ前大統領に指名された人物だが、どのような発言をするか興味深い。記憶しておき今後の判断材料にする。
24、25日と連日複数のFRB関係者の講演やパネルなどイベント参加が予定されているが、
それぞれの発言内容はFOMCの直後でもあり、自分の受け止め方としては7月7日に予定されている6月のFOMCの“議事要旨の前倒し公開”のようなものではないかと思う。とはいうものの、それまでの間に発表される経済指標が上下いずれに大きく振れたりすると、修正されることもないこともない・・・のだが。それぐらいのことは、政策運営者として駆け引き上の許容範囲だろう。
22日のパウエルFRB議長の議会証言は議員との質疑応答が注目されたが、FOMC後の記者会見の内容に沿ったもので目立った市場の反応はなかった。
それでも議長発言には今後の方針を示唆するものがあったと思う。インフレ懸念のみに基づいた性急な利上げは実施しないと改めて確認。このところの物価上昇は、経済活動の再開に「直接影響を受けた」部門の動きに影響を受けており、利上げを必要とする「経済のタイト化を示すものではない」とした。つまり前年比30%近く値上がりした中古車など一過性とみられるイレギュラーな項目により押し上げられたもので、経済全体の過熱を示すものではないとの判断がある。
一方で議長は今後の雇用の回復には自信を示した。
「労働供給を圧迫する要因は今後数カ月で弱まるだろう」と指摘。秋には力強い雇用回復が期待できると強調した。就業を阻害しているとされる連邦政府による失業給付の上乗せ給付(特別給付)は、9月初旬に終了するが、全米25州(共和党所属の知事)では前倒しで6月から7月中旬にかけて終了措置が取られている。また学校再開によって子育て中の人々の仕事への復帰が進むこともある。過去最大の求人件数がありながら、就労が進まない足元の問題は、この秋には解消に向かうとの見立てになっている。
議長は引き続き労働市場の「広範で包摂的な」回復を促進するとしている。仮に今後数カ月、雇用が急回復を続けても、白人に比較し高い黒人の失業率なども視野に入れ、そうした改善が見られないうちは適度なインフレは併存させるスタンスを取るとみられる。