亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

“急激な”巻き戻しは怖い

2019年01月24日 21時23分19秒 | 金融市場の話題
本日(2018年1月24日)の日経朝刊のトップ記事。「中国ハイテク生産急減」との見出しで、昨年12月の日本からのハイテクがらみの中国への輸出や受注が急減しているとの内容の記事。すぐ頭に浮かんだのが先週の日本電産の業績見通しの下方修正を伝える緊急記者会見を伝える記事にあった永守会長の「尋常でない変化が起きた」いう言葉だった。この会社の株価を詳しく追ってきたわけではないので知らなかったが、その翌日(1月19日)の日経マーケット欄には、「永守流警告は吉兆か」という記事があり、環境の変化に素早く対応するこの会社が下方修正に動いた前後に、同社株も日経平均も底打ちして来たというものだった。「炭鉱のカナリヤ」の逆バージョンということか。

それでもやはり「「尋常でない変化が起きた」という言葉が引っかかっていたが、そこに本日の日経の記事。リーマンの時のように何か具体的なイベント(ショック)があっての急落、急減でなく、今回はイベントレスの中での急落、急減というところが不気味だ。もっとも、中国の落ち込みは、すでに底入れしているとする証券関係者がいるのも事実で、減速は目立つものの過ぎてみれば単なる踊り場、ソフト・パッチといいたいのだろう。

当方は慎重スタンスを取る。急減が気に食わない。やはりマーケットから信頼されている百戦錬磨の名経営者をして「尋常でない」と言わせる状況は、ここまでのカネ余り、株高、時価総額の拡大をテコにした低利の社債発行など活発なファイナンス、そのカネで自社株買いとM&Aまた設備投資、それが株高に帰結し・・・・という壮大な循環が急停止したということではないか。FRBなど金融当局は、むしろ好循環の逆回転、巻き戻しを恐れている。なんせ、低利の資金調達を奨励していたこともあり、借り入れをどんどん増やしてきた結果、債務は膨れ上がっているからだ。それだけに“急激な”巻き戻しは怖い。

急激ということがポイント。だから「尋常でない変化」が気になる。

もちろんこの見立てが正しいか否かは不明。しかし、慎重スタンスにこしたことはなかろう。金を見ていると臆病になるということか。NY株など、どこまで戻れるか見もの。



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