2013年度の経常収支が発表された。これが黒字か、赤字かということは、いわば日本国の“稼ぎ”を表す。稼ぎの多さを誇ってきた日本だが、貿易が赤字つまり支払い超過に転じてからは円安にもかかわらず・・・・ではなく円安だからなおさら赤字が膨らみ過去最大規模に。それを以前の稼ぎを投資したり貯めたりしていた資産からの利息や配当収入でなんとか賄っている状況となっている。もしかしたら、一時は経常収支も赤字転落かと懸念されたときもあった。
今朝発表されたデータは比較できる1985年(昭和60年)以降で過去最低の黒字額とした。7899億円となる。1兆円を割り込んだのは初めてとのこと。“稼ぎ(黒字)”の直近のピークは2007年の24兆3000億円だった。問題は予想外の短期間で急減したこと。6年で30分の1になった。輸入が増えているときに円安が進んだこと。円安が進んでも輸入が伸びなかったことで貿易赤字が膨らんだ。つまり円安が輸出企業を潤した以上に輸入額を膨らませた。興味深いのは、原発を止めたから発電用の燃料の輸入が増えたと思いがちだが、原油や天然ガスなどの輸入増加は数量ベースでは1%程度の増加とされること。円安にすれば、日本は何も問題なく救われる的な指摘が、やはり表層的なものだったことがわかろう。
金市場の方は週明けのNY時間外グローベックス取引開始からややまとまった売りで1280ドル割れに急落。「反応としては3月17日月曜日と似ており、ウクライナの東部2州の住民投票が終了し、いわゆる目先の材料出尽くし・・・とは言わないまでも、材料一巡感から売りを仕掛けた投機筋によるものと思われる。3月の時もクリミアでの住民投票明けを狙い撃ちしたものだった。目先の動きであって今後の方向性を示すものではないと思われる」と日中に住友金属鉱山のメールに書いた。ロンドンからNYに入り、むしろ買い上げられ200日移動平均線も超え一時1300ドル突破。
ウクライナ東部の住民投票については、ロシア「RTR]、ウクライナ「ペルシ」あるいはBBCそれぞれの放送局の報道を比較すると非常に興味深い(おもしろい)。特にロシアRTRは、こうやって世論を誘導して行くんだなぁ・・・としみじみ(?)思ってしまうほど。都合よく作り上げられたニュースなのだ。