4月初めに投票が始まったインドの総選挙が12日にやっと終了。16日から開票とのこと。投票率過去最高の66%。5億人超が投票。最大野党のインド人民党(BJP)が勝ち、10年ぶりの政権交代が予想されている。それにしても投票だけで1ヵ月以上かかるのは、人口約12億5000万人、有権者だけで7億5000万人ほどになるし国土も広いので、1ヵ月以上はかかるということか。将来は、かなりのスピードアップができそうだ。
年始1月にはFRBのQE段階的終息着手からアルゼンチンを皮切りに経常収支赤字国の金融市場が連鎖的に荒れ模様となったが、インドも例外ではなかった。株も通貨ルピーも売られた。ところが、ここにきて昨年夏には1ドル=69ルピーまで売られたものも今は60ルピーを割れるところまで上昇している。株は代表的な指数SENSEXが4月中旬に過去最高値を更新。5月に入って以降も堅調で今週に入っても高値を更新中となっている。
10年続いた国民会議派の汚職などもあり閉塞感は高まり、西部のグジャラート州で経済改革で名をあげたナレンドラ・モディ同州知事を最大野党インド人民党(BJP)が、首相候補に押し立てて選挙戦を戦い、票を集めてきたようだ。・・・でここにきてナレンドラ・モディ次期政権への期待が高まり、株価も最高値更新中という展開。
選挙の出口調査ではBJPが優勢で政権交代は確実とされるのだが、この出口調査なるものは、当てにはならないらしく、過去にも大外れになったことは珍しくないらしい。インドは政党数が多く30くらいあるという話を昔聞いたことがあるが、今も状況は変わっていないようだ。単独で組閣できず連立政権となると、それぞれの思惑が入り効果的な政策運営は難しいとされる。
金市場に関連しては、昨年経常収支の赤字を減らすために、輸入金額が原油に次いで多い金が槍玉にあがり、輸入関税の度重なる引き上げや、最終的には厳しい輸入規制が課せられた経緯がある。その結果もあり2013年に初めてインドが金需要で中国に抜かれるということも起きたのだった。インドの金関係者の間では、BJPが政権を取ったなら金の輸入規制が緩和されるとの見方が広がっているようだ。
しかし、他の国もどこもそうだが、インドも日本目線では理解不能ということが多い。当然ながら欧米目線でも理解不能ということも多かろう。その一つが金市場では、あれだけ輸入規制しても金需要が1000トン近かったこと(約980トン)。
ところで日本時間の今夜発表された米4月の小売売上高は前月比0.1%のプラスと予想を下回り、減速。