NY金は調整モードのレンジ取引で小動き。引き続き欧州情勢の流動化が伝えられる中で、方向感なく推移した。
前日比0.40ドル高の2326.60ドルで終了。
本日の米国は言わずと知れたイベントデー。
NY時間の午前8時半(日本時間本日21時30分)に5月の消費者物価指数(CPI)の発表。そして午後2時(同13日午前3時)に連邦公開市場委員会(FOMC)声明文とFOMCメンバーによる経済予測の公開、続いて2時半からパウエル議長の記者会見が1時間ほど。
FOMCのポイントは、四半期に一度発表されるメンバー全員(現在フルメンバーの19名)による経済予測の各項目の分布図(ドット・プロット)と中央値。足元では金利見通しが最大の注目点。
3月FOMC時に(かろうじて)年内3回の見通しになっていた利下げ回数が、引き下げられるというのはほぼ織り込み済み。
問題は2回なのか、1回なのか。
9月利下げ着手については、市場予想も真っ二つに割れている。
今回もう一つのポイントが、午前早くに発表される5月のCPIだ。
この結果が、午後に発表されるメンバー予測に反映されるとみられること。
つまり金利とインフレ見通しについてはメンバーにより直前に手直しするケースがある。
昨年12月の会合に際しては「新たなインフレデータを反映させるため『幾人かが実際に(直前に)予想を更新した(パウエル議長)』」(ブルームバーグ)とされた。
つまり今回は5月米CPIとFOMCというダブルの要因が市場を刺激することになる。
早朝発表のCPIの結果が午後発表のドットプロットに関し憶測を呼び、この段階で市場の値動きが大きくなる可能性は高そうだ。CPI総合指数は前年比3.4%の伸びで前月と変わらず。エネルギーと食品を除いたコア指数は前年比で前月の3.6%から3.5%に低下する予想になっている(ダウ・ジョーンズ)。 これらを受けパウエル議長の記者会見となる。
おそらく自身の会見開始前の市場の動きを見て、それらも考慮した上での発言内容になる。
寄せては返す波のように強弱を繰り返してきた利下げ観測。
先週末7日の雇用統計の上振れで、年内利下げなしまで利下げ観測は後退しているが、さて、会見を受けどうなるか。