FOMCは報じられたように、年内1回と利下げ見通しとなった。
実際のところは1.5回というところだったとパウエル議長は語っている。
この日の注目イベントは、FOMCの結果が判明する前の午前早くに発表された5月の米消費者物価指数(CPI)だった。
結果はインフレの下降局面が再開された可能性を示した。前年同月比の伸び率は3.3%と市場予想(3.4%)を下回った。前月比では横ばいとなり、4月(0.3%上昇)や市場予想の0.1%上昇を下回った。横ばいとなったのは2022年7月以来のこと。
エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は前年比3.4%と市場予想の3.5%を下回り、4月の3.6%から鈍化した。サービス分野の多くの部分でディスインフレ(物価上昇率が低下している状態)を示し、インフレ鈍化が幅広くみられたと指摘された。
CPI発表段階では早期の米利下げ観測が強まり、債券買いが勢いづき米長期金利は大幅に低下した。10年債利回りは一時4.252%と4月1日以来2カ月半ぶりの水準に急低下した。ドルも主要通貨に対し売られ、ドル指数(DXY)は発表前から1ポイント以上下落し一時104.257まで売られた。前日は105.459と4週間ぶりの高値を付けていた。
この時点で市場ではFRBが9月にも利下げに着手との可能性は約70%に切り上がった。11月、12月の利下げ実施もフルに織り込まれた。
ただし、午後に入り2時にFOMC声明文と参加者のドットプロットの発表で高金利長期継続方針が明らかになると、相場は反転した。
Powell said that when there is an important data point, Fed officials can update their forecasts — but most people don’t.
これはダウジョーンズ系列 MarketWatch のFOMC関連の記事の一文だが、パウエル議長の質疑応答の内容を書いたもの。「重要なデータが出た場合、FRB幹部は予測を更新することができるが、ほとんどの人は更新しない」と議長は述べている。
結局、昨日のCPIの結果でドットプロットに影響を与える変化はなかったということか。変更するまでの内容と受け取らなかったのか、単にスルーしたのか・・・。