週明けのNY金は小幅に反発した。主要な経済指標の発表もなく、手掛かり不足の中で12日に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)結果判明と同日の6月米消費者物価指数(CPI)を前に、総じて様子見の市場環境となった。
市場の関心は週末にかけて実施された欧州連合(EU)欧州議会選にて極右や右派などEUに懐疑的な勢力が大きく議席を伸ばしたことに向けられた。
特にフランスでは極右RN(国民連合)が躍進し、マクロン大統領率いる与党連合の倍以上の議席を獲得。
マクロン大統領は「国粋主義者やデマを振りまく政治家の台頭は、フランスのみならず欧州にとっても危険だ」と述べて、国民議会(下院)を解散して国民に信を問うとした。初回投票は6月30日、決選投票は7月7日となった。7月26日からスタートするオリンピックを前に思わぬ展開ということに。
フランスの政治的リスクひいてはEUの不安定化を映して、10日の市場ではフランスやドイツなどの国債が売られ、米国債にも売りが波及した。米国では2年債を除き全年限で下落(利回りは上昇)。指標の10年債利回りは4.466%に上昇。欧州では常に財政が懸念されるイタリア10年債は、4.092%と23年12月4日以来の高水準に上昇。
為替市場ではユーロが売られ、対ドルでは一時1ユーロ=1.0733ドルと、5月9日以来の安値を付けた。ユーロ安を受けドル指数(DXY)は上昇105.150と5月13日以来1カ月ぶりの高値で終了した。
その中で前週末の大幅下落の後でもあり注目された金市場だが、目立った自律反発の動きも見られずNYの早朝の時間帯までは、マイナス圏となる2310ドルを挟んだ狭いレンジの取引が続いた。終値は2327.00ドルに。
前回5月中旬にも今回同様大きく売られたが、その際には一定の反発力を見せたが今回はそのような弾力性は見られず、明らかに相場付きが異なる。
終値ベースでの2300ドル台維持に注目している。
本日も米国関連では主要な指標の発表はなく、米10年債の入札のみ。