亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

サミットより目先の雇用統計

2009年07月02日 20時13分10秒 | トピック
週末が連休の関係で1日前倒しで日本時間の今夜発表される予定の米6月の雇用統計。先行して発表される米企業向け給与計算サービスのADP社(オートマチック・データ・プロセシング)などが取りまとめる民間雇用のデータが発表された。結果は47万3000人の雇用減となった。市場予想(40万人の減少)を大きく上回ったことから政府部門を含む今夜の雇用統計には、楽観論は後退しやや警戒モード。ここまでの市場予想では35万人の雇用減少と先月並みの予想。失業率は9.4%から9.6%への上昇となっている。

それよりも話題を集めたのはロイターが伝えた、来週イタリアで開かれるG8サミットにて中国が新たな国際準備通貨についての論議を要請したというもの。サミットの場になぜ中国が?と思ったら、今回のサミットは2日目にG8に加えブラジル・インド・中国・メキシコ・南アフリカ、エジプトの首脳が参加した話し合いが行われる予定となっていた。2日目の討議は結局14カ国となるが、それはそれで声明文を発表するとのこと。

このニュースに昨夜は為替が反応しドルは対ユーロで売られ、逆に金価格が上昇した。ロイターは「取材源の秘匿」とやらで当初のニュースに誰がというよりも、(サミットに対して)どういう位置にいる人物が語ったのかすら明らかにしていないので、一切不明だがおおかたロシア辺りか。というのはこのところの一連の通貨を巡る言動ではロシアの方が直接的なドル牽制発言が目立つからだ。

思うのは、いよいよ多極化が目立ち始めたということ。サミットも従来の枠組みではなく、いろいろ声を掛けてお越しいただいて・・・という感じなのだ。ドルが基軸通貨の地位を短期間に転げ落ちるということは現実的な話ではないし、そんなことになればまさに恐慌となる。ただし、こうした話題を経ながらジワジワ蝕まれていくというのが、今の大勢といえる。

7月3日つまり明日にはサミットの準備会合が開かれるとのことなので、何か流れてくるかもしれない。それでも材料になるようなものではなかろう。サミットよりも目先の雇用統計なのだ。

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FEMAの非常事態演習 (VMAX)
2009-07-03 10:43:15
今月27日から31日まで行われるFEMAの非常事態演習には、カナダ、メキシコに加えて英国も参加するという。連邦政府の並々ならぬ意気込みを象徴しているが、今巷ではこれは実際の暴動対策ではないか というウワサが出ている。その根拠が、今月28日に迫っているカリフォルニア州の大口債券償還日である。既にご承知の通り、シュワルツェネッガー知事が、財政非常事態を宣言した。もはや28日の償還は絶望的で、加州のデフォルト宣言は規定路線であり、そうなれば暴動は州内に収まらず、全米に飛び火するため、演習と称して軍隊を事前に配置するのではないか という憶測である。

 米国GDPの13%を占める加州の破綻は、景気底入れの期待感が出始めている米国民のマインドを一気に消沈させるにとどまらず、もしも連邦政府の非常事態宣言にまで至れば、世界中の景気底入れ期待感を吹き飛ばすのは自明。

 バイデン副大統領が選挙中から口にしていた、『次期大統領は半年以内に重大な決断をすることになる』というセリフが思い出されるが、その重大な決断が、オバマ大統領の非常事態宣言となるのだろうか・・・。

 今月末に、我々は1971年のニクソンショックに匹敵するような重大な発表を、アメリカ大統領の口から再び聞くことになるかもしれない。
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もし破綻したら (yoshy)
2009-07-03 14:39:27
アメリカが、G8or G20から、ドルの無心が出来なければ、
世界中のアメリカ軍に資金が流れず、即撤退となるか、その場で解散となり、多数の元軍人が、不良外人となる、そして世界は、アメリカの支配から解放される。それは、世界に取って、平和の日が戻ってくることに近いが、空白の隙を狙う国家も多い。そして、日本は、無意味な、アホ政治家が、権力闘争ばかりをしていて、自分のするべき事が全く分からず、日本国家を、危機にさらし続けている、その時他国の支配下に又なっているかもしれない事さえ想像出来ない。
今がチャンスだ!ドル離れを宣言するだけでそれはおこる。
日本のはじめての、独立のときなのである。惰眠をむさぼるな。中国と日本がNOと言えば、アメリカは、すべてをうけいれて降伏するしかないのである。
もし、アメリカを助け続けて、数年後、どうなるか?その事を考えてみたら答えは、決まっていると思うが?
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