亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ついに2・10年債の利回り逆転 

2022年04月04日 20時26分53秒 | 金融市場の話題

土日含めて11日ぶりの更新です。気が付いたら桜が散り始めている。先週前半を中心に立て込んでおり、そこに重なるようにDropboxなるstorageのソフトを導入したところoutlookが機能しなくなってしまい、忙しい時によりによってということに。

必要なものを消してしまっては台無しになるので、慎重に対応しております。やれやれ。。やるんじゃ、なかった。。

さて、中断しているうちにもっとも動いたのが、米債利回り。先週はついに2年債と10年債の利回りが終値ベースで逆転ということに。FRBがまだ1回しか利上げしていない段階で、どんどん織り込んでマーケットが引き締めに前のめりになっているようで、どこまで拡大するのかという印象。

7年、5年、3年債利回りが10年債を上回る状況が、先行して起きて来たが、先週末3月31日は終値ベースで2年債と10年債利回りの逆転現象(逆イールド)が発生することになった。いわば真打登場という感じ。2019年8月以来のことになる。

まず31日に発表されたPCEコア指数(PCEコアデフレーター)の上昇率も5.4%と、83年4月以来の高水準になり。翌4月1日の米雇用統計もNFP(Non Farm Payroll、非農業部門雇用者数)が43万1000人増と市場予想に沿った結果となった。2月分は当初(速報値)の67万8000人増から75万人増に上方修正された。この結果、雇用者数の伸びは、1~3月期に月間平均56万2000人となった。

失業率は2月の3.8%から3.6%に低下し、2020年2月以来、約2年ぶりの水準に改善した。ちなみに2020月は3.5%と約50年ぶりの低水準だった。

2つの指標を受けてFRBの引き締めスタンスが加速するとの見方から、政策動向を反映しやすい2年債利回りが大きく上昇。4月1日は一時2019年3月以来の高水準となる2.473%まで上昇、2.465%で終了した。10年債利回りは2.454%まで上昇し2.385%で終了。

2年債利回りは30年債利回り(2.437%)も上回った。逆転は2007年以来のこと。2年債利回りは1~3月期に1.6%(160bp)上昇。四半期ベースの上昇幅としては1981年9月以来最大となるもの。つまり足元の2年債の利回り上昇は記録的なペースといえるもの。

さらに週明けの本日の2年債は、NY時間外のアジア時間に2.501%まで上昇。ついに2.5%に達している。調べてみたら19年3月12日以来のこと。逆イールド(2・10年の長短金利の逆転)は、近い未来の景気後退のシグナルとされるのは、いまや多くが知るところだが、だから何なのさ?、慌てる必要はないし、必ずしも景気後退が起きるわけではないというのがFRBのスタンス。

しかし、タカ派で知られるカンザスシティー連銀のジョージ総裁は3月30日、連邦準備理事会(FRB)にとって警戒すべき兆候だとしていた。FRBがここまで米国債を買い付けてきたことで、10債利回りが最大150bp(1.5%)押し下げられている可能性があるとしており、「バランスシート(保有資産)の大幅な縮小が必要だ」とした。つまり、FRBが持分を減らすことで長期金利を押し上げれば長短金利の逆転は解消されると。しかし、FRBが動くことによる債券市場への影響は大きいと思われ、程よい上昇となるわけはないんじゃないかと思うが。。。。FRBも、どこかの中銀のように、イールドカーブ・コントロールに向かうのか・・・。

あとは、3月に何度か書いた金ETFだが、6年ぶりの規模に膨らんでおり、スイスのプライベートバンクなどが、こぞってキャッシュと金の持分を増やしているらしい。週後半にデータが確定してくるので、その際に。。でも。

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