ロシア中銀保有の金について、今頃、取り扱いは出来ないという話が流れて24日の米系メディアが盛んに取り上げていた。すでに日本でも流れたと思うがブリュッセルで北大西洋条約機構 (NATO)と主要7カ国(G7)さらに欧州連合首脳会合が開かれ、それぞれバイデン大統領が出席したが、それに合わせて米財務省が公表したもの。
ロシア中央銀行への制裁について、金準備も対象としていることと、制裁対象となっているロシアの政府機関や金融機関との金関連取引も禁じられるとした。しかし、とうに欧米の投資銀行は、ロシアの鉱山会社との取引を停止するなどの動きを取っている。中央銀行保有の金についても制裁対象であることは想定済みとはいえ、公言されたことでロシア中銀保有の2000トン余りの金の流動化に対し一部にあった懸念は後退することになった。
わたくし事ながら、このところドタバタと時間に追われており、それも来週で一巡ということで、なんとか乗り切ろうと奮闘中。。これだけでは何のことやらですが・・・。それにしてもこのところのドル円の動きの速さは驚きで、今朝起きたら夜中にOSEの円建て先物が過去最高値を更新する7709円となっており、時間が3時11分になっていた。自国通貨安が金の押し上げ要因としては大きいのだが、これ、われらの通貨の目減りを意味するわけで何とも困った話ではある。ドル建て価格の上昇(ドルの減価)による円建て価格の上昇というのが理想形だが、今回のドル円はドル高要因と円安要因の両方が作用しているので、円安が加速している。
実はインドルピーが急落しており、対ドルで最安値を更新している。インド国内の金価格も急騰してお
り、こういう時に備えて金を買っていたわけではない人も多い国だが、実際に金を持っていてよかったということだろう。 インドは輸入品のトップが原油につき、もともと経常収支が赤字の国だが原油価格の上昇で赤字幅は拡大。ルピーはさらに売られるという状況に。インド国内の金価格はロンドン価格に対し26ドルもディスカウント状態で、買いの手はピタッと止まっている。ちなみに昨年のデータは調べていないが、コロナ前は金額ベースでの輸入品の2位は金だった。それで輸入関税を引き上げ10%を超えたのがインドという国のお国柄。密輸が増えることになった。政府中銀解いては輸入しても役にも立たない金の輸入で赤字を増やすな・・という方針。それでも人々は金を買う。
話は脱線したが、日本もエネルギー輸入大国で円が強いうちはよかったが、原油上昇で赤字が増えてさらに通貨が売られるという、構図としてはインドと同じような状況にある。
FRB関係者の発言が連日続いている。シカゴ連銀のエバンズ総裁が、インフレ高進がインフレ期待に組み込まれ、それを取り除くのがさらに難しくなる前にFRBは今年から来年にかけて利上げを行う必要があるとした。さらに、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、過去半年間でインフレに対する自身の見解が「劇的に」変化したと述べた。今後、毎回の会合で25bp(0.25%)の利上げが実施される見通しを示した。両人ともにハト派で知られていた人物でもある。
本日は、午前9時33分頃からラジオNIKKEIの「マーケット・プレス」に電話出演で、キャスターの岸田さんの鋭い質問にタジタジしながら話した。FRBの引き締め強化大コーラスの意図は何だと思うかと問われ、まずはこのところガソリン価格の最高値更新などもあり、一般のインフレ見通しが上がっているので、それを抑えるアナウンスメントではないかと応えた。ミシガン大の消費者信頼感指数の1年後の期待インフレ率が40年ぶりの水準の5.4%に上がっていたのが頭にあったが、終わってニュースを検索していたら、シカゴ連銀のエバンズ総裁も似たことを言っていて、そうかぁ・・と。FRBは賃金と商品価格のスパイラル上昇に警戒している。あとはここにも書いたが、長期金利が上昇したことで過熱景気の抑制という面が大コーラスの背景にありそうだ。しかし、ほどよい落としどころを見つけるのは難しい。やり過ぎるのではないかと思っている。
ゴールドマンサックスに続き、24日モルガンスタンレーが利上げ見通しの修正を発表した。5月、6月のFOMCで連続で50bpの追加利上げを実施するとした。量的引き締めTQ(Quantitative tightening)も5月に開始し、23年は25ベーシスポイントずつ3回の利上げで3%で利上げを打ち止めるとしている