亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

(精査すれば)活断層がここかしこ

2008年06月05日 21時45分36秒 | 金融市場の話題
足元でリーマン・ブラザーズに再び信用危機問題が起きているが、3月のベアー問題から早くも3ヵ月近く経過し時間の経過とともに金融技術というよりも制度の不備や盲点を組み合わせたような実態も表面化してきている。当方は、一連の証券化商品を「金融版錬金術」と呼んでいるのだが、言われてみれば納得、よくもまぁそこまでという話もある。時価会計の徹底化というのが最近の流れであるのはご存じのとおりだが、資金調達のために自らが発行した債券(つまり負債・・・借金ですね)を自らの信用低下で価格が下がれば、期末における評価に際し時価評価し減価分を益金として会計処理できるという、そんなのアリ?というものが紹介されていたが、大丈夫かね?

保有している有価証券のなかで取引がほとんどない(流動性が低い)、したがって時価算定が難しい資産を「レベル3」と呼んで、これまで各社が都合のいい価格で評価していたが、いまは何かの指数であれ何であれ、その価値を推定できるものならなんでも使って時価評価しなさい、そして資本が足りなければ調達しなさいというのが今の流れだが、その「レベル3」が、増えている。これまで市場価格が推計できる「レベル2」に入れていたものを「3」に移管しているためだが、それでも「3」の評価が甘いという見方が根強く、信用されていないというのが実態。

3月から4月と大手金融各社のCEOが、そろって峠を越えた、峠を越えたと口をそろえていたのは、投げ売りの結果、自己評価を下回る市場取引が成立すると不測の評価損をさらに計上する必要があり、今後の資金調達が難しくなる可能性があるためという背景が指摘されてきた。すでに余震は起きているのだが、今月から来月にかけて金融の決算見通しや結果の発表が予定されており活断層はここかしこという。

それでも足元でFRB議長直々の口先介入によりドルが戻り符牒となり、逆に金市場には売りが先行している。870ドルの下値を試されている状況。ドルインデックスが74ポイントをうかがう動きをしているが、そうなると下は覚悟せねば。このドルの戻りがどこまでもつのかという点が関心事に。

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