亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ドル建て1200は心理面、テクニカル双方ともに節目

2010年07月05日 15時37分46秒 | 金市場
(雇用統計が印象付けた・・・「回復はしている、しかし予想以上に遅い・・・このままでは」)

先週末3日土曜日の午後は、都内にて丸紅経済研究所代表の柴田(明夫)さんと当方のパネルという企画があった。柴田さんとは以前から面識もあるが、こういう形でご一緒したのは初めてだった。同じテーマに対し見方が異なる点もあり興味深かった。その前日、金曜日の夜はラジオNikkeiにて米雇用統計の発表を受けての金市場の捉え方を電話にてライブ出演。いまから10年ほど前、この電話によるライブというのを複数の媒体で週2~3回朝7時台に2年半くらいレギュラーでやったことがあり、それ以来だった。当時を思い出したが、ライブということで相応の準備と緊張感をもってやっていたもんだった。基本的には今も変わりないが、多少の慣れはある。冒頭のパネルから戻り、それ以降本日早朝までPCには触れなかった。これも自分にしては珍しいのだが、まぁたまにはそれもいいかと。

さて米6月の雇用統計は報じられているように12万5000人の雇用の減少となった。国勢調査に伴った政府の臨時雇用が一巡し22万5000人の減少となったことが響いたもので、織り込み済み。市場の関心は民間雇用の増減の程度となっていた。結果は8万3000人の増加。5月の3万3000人から増加したものの市場予想の11万には届かなかった。また増加のうち4分の1が人材派遣が占めており、この点でも景気回復の鈍さを感じさせるものなった。9.5%と改善を示した失業率だが、失業期間が長引き職探しをあきらめるという現象も伝えられており、こうした人々が統計から落ちることが失業率を押し下げたとみられる。実際にデータでは失業者の内の46%が27週以上の失業状態となっている。金市場にとって、今回の雇用統計の結果は足元では中立要因だが、かかる状況下ではFRBの金融政策も緩和策を続けざるを得ず、中期的に金価格を支える環境も続くという結論となる。

ところで40ドル方落ちた7月1日のコメックスの出来高が明らかになったが、前日比16万枚強多い29万枚超(1枚=100オンス)となった。取組は1万5000枚ほど減少の約59万枚。手仕舞いが殺到した状況が伺えるが、売り買い交錯状態がうかがえる。1200ドル割れあるいは1210以下での買い引き合いは強い。今回の上昇相場に様子見をしていた向きも参入。ちょうど一目均衡表の雲の上限が1200ドル手前に控えており、1200という数字は表面的な心理的節目とともにテクニカル上でも節目になっているわけだ。連休明けに発表されるISM非製造業景況感指数。先週の給与計算など雇用サービスのADPが出したデータでサービス部門にも陰りが出ていたので、どうなるか。それにしても今週は、ECB理事会。ほんとに時間が経つのが早い。

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2 コメント

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一目チャートを (fairlane)
2010-07-05 18:42:02
http://fat.5pb.org/jlab-fat/s/fat1278322115079.jpg

自分は一目均衡表は信用してないのですが、ドンぴしゃですねぇ・・・・

まだまだ取り組み多いですね。あと10万枚くらい減らないと・・・
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Unknown (まゆげ)
2010-07-05 22:20:28
もう我慢しきれずに。。。
久々に買いました。
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