亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

先物価格も過去最高値

2008年01月08日 22時30分45秒 | 金市場
「活動が活発化し、その炎(フレア)の先が875ドルに触りそうな雰囲気になってきた」と昨夜書いたが、日本時間の本日夕刻スポット(現物)価格でもあっさりと抜いてきた。NYコメックスの先物価格も時間外ではあるが878ドルと過去最高値を突破している。現地の7日にETFがNYで9.63トン、ヨハネスで0.36トン増加。年度替わりの資産の組み換えが始まっている。その流れが日本時間の今夕から。それにしても、この間のインフレを加味したら(つまり実質価格)1980年の高値は、今や2000ドル以上に相当・・・という解説を急にいろんなところで見掛けるようになってきた。机上の空論とはいわないが、理論値であることに違いはない。世界の金融経済の在り様の変化を映した金のみならず、商品市場全般の修正相場。

やはり「850ドルは通過点にすぎない」となった。「2001年から始まった上昇相場は既に5年以上経過、裾野の広いのは山が高い証拠」「今のドル建ての値位置を80年のそれと単純比較しても意味はない」「デリバティブ金融の世界は想定元本4京3千兆円(当時のデータ、今は5京円突破)対して金の地上在庫は430兆円に過ぎぬ。俯瞰(フカン)しましょ。そんな金融市場から金市場に一部の資金が回り始めた」「いずれETFによる吸い上げ効果を目の当たりにするでしょう」「国内投資家は未だ(金の上昇に対し)疑いのなか」「グラム2700円で売り殺到!なんで、あんな安いところで売ったんやろう・・・と思うでしょう」そして「悲観のなかで生まれた相場が懐疑のなかで育つ、楽観のなかで成熟し、幸福感のなかで消えてゆく」。

新たな価格レンジに入った金市場。未踏の地ゆえに実質価格の2000ドル超を持ち出さざるを得ないということか。原油の10倍で1000ドルというお手軽な話もある。足もとのネット・ロング(ネットの買い建て玉)は過去最高を大きく上回っているはず。


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2 コメント

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上海金先物 (fairlane)
2008-01-09 03:00:05
9日から上海先物取引所で金先物取引が始まりますが、「熱銭」は金に流れてきますでしょうか?
先生のご見解いただければ幸いです。
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過去最高値を突破 (ささやか)
2008-01-09 10:15:46
「中国の不良債権問題」を読んでいるとろです。著者は中国の金融機関と金融システムの問題点を指摘しています。金は金融危機では買われる、足もとの金価格の上げはその証明みたいです。中国市場で大きく買われる場面を視野に入れておいてもいいのかも知れませんね。ただ、自分にとって都合のいい状況でそんな場面が来るかどうかは別の話。
 今日は先生のお話が強気コメントなので、目新しく感じました。相場の上げは最後が最も大きい、そんな事も心の片隅に留めながら今年の金価格を見て行きたいと思います。心楽しく「金の上げ」を楽しむ、そんな経済状況ではないのが残念ですが…
先の話はともかく、永く超えられなかった「壁」を突破したら一旦の調整を経て大きく上げて行くのがこれまでの展開なので期待したいところです。
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