昨日20日に中国国家統計局が発表した中国の2013年GDPの伸び率(前年比)は実質で7.7%だった。昨年は夏に掛けて中国景気の陰りが指摘され、そこにシャドーバンク(影の銀行)問題などが被り新興国の失速の象徴のような感じだった。結果的には政府がテコ入れし、また締め気味の金融政策も突如として緩めたり、また締めたりと、とにかく政府主導でなんとか目標に挙げている7.5%はクリアということになった。それでも従来の勢いはないし、また政府が安定成長に舵を切っていることもある。景気刺激策に伴う地方政府の借金の増加も見過ごせなくなっているし。
内容についての分析は各種解説記事もあるので、そちらを見てもらうとして、このニュースを読んでいて「はぁ!」というか「あれれ!」というか、感じたのは、そのGDPの金額だった。名目で56兆8845億元(約980兆円)となっていた。ほんの3年前に日本が中国に抜かれて3位に転落ということがあったばかりだが、いまや日本の2倍近い額になっている。・・・・・といっても1年間で人民元に対し25%近く円安になっていることが拡大の大きな背景ではあるが。
このGDPの規模の対比では、2000年頃はアメリカは日本の約2倍の規模だった。そのアメリカは今や日本の3倍の規模になっていのだが、日本はずっと円建てで500兆円、ドル建てで5兆ドルの規模で横ばい状態を続けている状況。アメリカとの比較では、日銀が発表している資金循環のデータで日米個人金融資産の比較というものを10数年前から見ているのだが(ちなみに最近では日米欧の比較になっている)、ここでもアメリカの伸び方はITバブルが弾けたり、リーマンが潰れたという割には、日本とは比較にならないほど伸びてきた。この数字も今回の中国のGDPの際と同じで、アメリカの個人金融資産50兆ドル・・「あれれれ!!」。いつの間に!!という感じだった。
ちなみ以前使ったセミナーのレジュメを取り出してみたら、2004年9月末の日本の個人金融資産は1411兆円、アメリカは35.3兆ドルとなっていた。直近のデータでは、日本1598兆円、アメリカのそれは63.9兆ドルなのですよ。。。。日本の1598兆円は、ここにきて株が上がった効果が大きく、確か1年半くらい前は1400兆円台ではなかったか。。
いずれにしても10年以上、横ばい・・・・安定成長、成熟国家といえば聞こえはいいのだけれど。成長至上主義がいいとは言いませんが、負債だけが重くなるということです。
まぁ、そんな成長など気にしない生き方がいいのだ・・・という考え方もありですが、子供たち、あるいは孫たちは、どーなる。
中国も、ここまで『私』がはこびって、とんでもない環境汚染 子供が飲むと危険な粉ミルク とか みな『私』さえ儲かればいい という社会に明るい未来があるのか
アメリカも本当に個人資産が増えているのか、と ほんの一握りのひとの個人資産だけ増えているのでは と フードスタンプの支給者が減ったわけではない
カネあまりでじゃぶじゃぶとあふれた水が2つの大国の王様の足下にたまりましたか 水の濃度はどのくらいなんでしょうか
確かに格差は広がるばかりですね。小売りの業績にもそれは鮮明に・・・。