亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「売りに売られて・・・・・・増えたのは252営業日中わずかに16日」

2014年01月20日 22時37分38秒 | 金市場

本日のNY市場は「キング牧師生誕祭」の休日で連休。その休み中に南アでにわかに高まった主要プラチナ鉱山での連鎖的ストの可能性から来る(いつもながらの供給障害を囃した)プラチナの上昇に金が連れ高する可能性もあり、休み前にショートを手仕舞っておこうという買いが金に入った模様。それが週末に週初雇用統計のサプライズを受けた高値水準まで金が復帰した背景と見られる。しかし、背景はともあれ気付けば週足で4連騰。悲観一色の欧米目線をよそにテクニカルの改善も視野に入ってきた。一応は年末に1200割れにタッチした後の戻り局面という解釈になろう。

先週末は金ETFの最大銘柄「SPDRゴールド・シェア」の残高が7.49トン増加したのが目を引いた。年始1月は年金基金や財団などの運用資産の組み入れ比率の調整が行われるタイミングとなっているが、昨年ドル建てベースで28%の値下がりに見舞われた金ゆえに、(逆に主要株指数が28~30%も上昇したことから)組み入れ比率が下がっており、買い増しの可能性も考えられた。しかし、年始からここまで具体的な動きは見られず、むしろ漸減という状況となっていた。ちなみに「SPDRゴールド・シェア」の残高が前日比で増えたのは、昨年末12月20日以来のこと。手元の資料では2013年はNYコメックスを基準に営業日で252日あった。その内、残高が減少したのが137日、逆に増えたのがわずか16日。この結果、年間552.6トンもの残高減少となった。具体的には1350.82トンから798.22トンとなる。まだまだ減る、したがって下がる・・・というのがNYやロンドンベースのアナリストの見立て。主要国の国債発行残高が急増する中で、いわゆるテイル・リスクを考慮せざるを得ないわけで、やはり長期の投資家は金を手放さないと思う。

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