亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

転向

2012年09月24日 23時56分32秒 | 金市場
今回のQE3を個人的には「開放型QE3」と呼んでいる。政策発動から早くも今週で2週間。FOMCでは12人の委員のうち11人が今回の無制限をうたうQE3に賛成していた。この辺りは前回8月1日のFOMC声明文の要旨が発表された際に、追加緩和に対する積極派が増えていることが示されていたことから、そうなんだろうとは思ったが、やはり意外感はあった。そもそも昨年などFOMCが開かれるたびに、緩和策には3名の委員が反対票を投じていた。年が明けて一部メンバーに定例の入れ替えが行われた結果、タカ派と目される委員は減っていた。

先週驚いたのは、昨年のFOMCを通してことごとく緩和策への反対を表明していたミネアポリス連邦準備銀行のコチャラコタ総裁が、講演会で「米国の失業率が5.5%を下回るまで、FOMCは異例の低金利政策を続けるべきだ」と述べたというニュースだった。タカ派(インフレ警戒派)として知られてきた人物だが、見方を変えたということか。昨年は、今回2015年半ばまで伸ばした「異例の低金利」の継続の期間の明示に反対を表明していた。さらに通貨供給を増やさない「ツィスト・オペ」についても反対票を投じていたほどだった。タカ派はそのままインフレ警戒派と同義語だが、落ち込みが目立ち始めたユーロ圏に加え新興国の陰りも日増しに高まる中で、先行きの危うさが増していると捉えたのだろう。

今週も本日24日はサンフランシスコ地区連銀のジョン・ウィリアムズ総裁、25日にフィラデルフィア地区連銀のチャールズ・プロッサー総裁、さらに26日にはシカゴ地区連銀のチャールズ・エバンズ総裁の講演会や記者会見が予定されている。

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