亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

円安とNY金高の掛け算、国内連日の最高値更新

2023年09月01日 08時32分38秒 | 金市場

昨夜は更新しようとしたものの、このサイトがアクセス不能状態であきらめた。20年近く使っているが、初めてのこと。昨夜更新しようとしたものを以下に。

 

本日も国内金価格は過去最高値を更新。大阪取引所の金先物価格(JPX金)は、午前の寄り付き早い段階で9131円の取引時間中(ザラバ)の過去最高値を更新した。日中取引の終値は9113円で、こちらも過去最高値を更新。

一方、消費税10%を乗せた価格で表示される店頭小売価格だが、午前9時半に田中貴金属工業がグラム単価10101円を発表。前々日に1万円台に乗せ、さらに3日続伸ということに。 8月30日のNY金は3営業日続伸となり、そこに円安傾向が抜けきれないドル円相場の146円台にて円建て価格を押し上げた。

 

足元のNY金先物市場では、8月22日時点のファンドの買い越し残が重量換算で307トンと今年のピークとなった5月9日の701トンに比べ394トン、56%もの減少となっている。CTA(商品投資顧問業者)と呼ばれる短期的な売買を繰り返すファンドの持ち分に限れば、ピーク時の456トンから79トンまで82%の減少となっている。したがって、足元のNY金の反発は、買い残整理が一巡したファンドの買いにより、もたらされていると思われる。内部要因と呼ばれるが、身軽になったNY金の反発が、円建て価格の連日の過去最高値更新につながっている。

朝方発表された一連の米国指標が前日に続き弱めの内容となったことから、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が一段と後退し長期金利が低下、あわせて主要通貨に対しドル安が進み金は買われた。NY金は7.90ドル高の1973.00ドルで終了。終値ベースで8月4日以来約4週間ぶりの高値水準に。

 

企業向け給与計算サービスのADP(オートマチック・データ・プロセッシング)がこの日の朝方に発表した8月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は17万7000人増加し、市場予想(20万人増、ダウジョーンズ調べ)を下回った。この5カ月で最も少ない増加数に。年収の前年同月比の伸び率も前月から鈍化した。前日の雇用動態調査にて7月の求人件数が予想を下振れる結果(882万件)になっていたこともあり、労働市場の失速が意識されることになった。

 

もう一つこの日発表された主要指標に2023年4~6月期の実質国内総生産(GDP)改定値があった。速報値の前期比年率2.4%は(今回改定値の市場予想値でもあったが)、同2.1%と下方修正された。個人消費は上方修正となったものの、設備投資の下方修正が全体の数字を押し下げた。 こうした内容を受け米長期債には買いが入り価格は3営業日続伸となり、10年債を中心に利回りは低下し、一時4.091%と3週間ぶりの低水準まで低下した。引けは4.113%となった。

1日に発表される米8月の雇用統計が弱めの結果となると、10年債利回りは先週初めに付けた16年ぶりの水準となる4.355%が当面の天井になるとみられる。

長期金利の低下を受けドルも売られ、ドル指数(DXY)は一時102.936と2週間ぶりの水準まで低下。こちらも先週の104ポイント台半ばが、当面の高値になりそうだ。

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