亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

80年の高値など忘れよう

2006年05月17日 22時49分20秒 | 金市場
本日は午後4時間を掛けて本年2回目のゴールド・アドバイザー(中級コース)研修会だった。午後1次過ぎに研修会が始まるころには金のスポット価格は705ドル程度に復帰しており、それを受講者に伝えると一様に驚きの声が上がった。言うまでもなく700ドル超からの急落の後としては、価格の弾力性すなわち“値戻りの良さ”に皆驚いたということ。1980年1月の市場最高値を記録した際には、ロンドン市場で300ドルから850ドルに駆け上がるのに要した期間が約5ヵ月で、最後は1週間程度で200ドル以上のいわゆる“行って来い”状態。小さな市場に急に(当時の)オイル・マネーという大物が入ってきて市場機能を超えた価格形成が見られたということ。したがって、当時の価格は無視できないものの、それをもって足元の相場を分析するには無理がある。600ドル台、700ドル台の滞留時間ということでは、足元の展開は実質的に新高値に躍り出ているといっていいだろう。ここからは実質ベースで“フシ”などというものは無いといえる。つまり80年の高値など忘れましょう。

それにしても15日の上下の値幅が約40ドル、日本時間の今朝から夕刻に掛けての動きも値幅で35ドル程度と値動きは荒くなっている。昨日、週明けの急落は「シアター・シンドローム」しかも人間ではなく、コンピュータ・ソフトのそれとしたが、パーティに例えるなら、皆一様に楽しげにダンスを楽しんでいるのだが、踊っている場所は出入り口のドアの近くという感じ。中には腰が引けているペアもいる。ところが悠々と奥の広々とした空間で踊っているペアもいて、その数は過去の同じような環境との比較では、いつになく多い。多いばかりか、増えている様子。よく見れば「年金」という新顔さんなのだった。出入り口付近で固まっているペアの中には、“水鳥の羽音に驚く平氏”ばりの者も多く、時に何とはない材料に対し派手なダンスを披露してくれたりする。そんな昨今の市場模様。。

ドル円相場は、米国のドル安誘導という話をさせてもらったが、多くの方は不思議な顔をされていた。やはりこんな記事が出てきたか、というものが本日5月17日付けの日経新聞夕刊(4版)にあった(「米財務長官、ドル安を容認」)。いわく「現状程度の穏やかなドル安であれば黙認する考えをにじませている」。そうなんだよね~。穏やかなドル安を目論むんだが、だいたい最後は加速して大慌てになるのがパターンだから気をつけようね。思うようには、なりませぬ。いまロンドンの時間帯に108円台まで見たみたいだね。

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2 コメント

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Unknown (前原俊彦)
2006-05-18 16:28:18
昨日、丸ビルセミナーに参加しました。

株には板があり、売り買いの状態がわかります。

金もそのような待ち構え売り買いがわかるのでしょうか?
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わかりますよ ()
2006-05-18 23:32:22
「板」ということであれば、個人でもネットの先物取引で売り買いの枚数を見ることができますね。
返信する

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