本日の午前に以下のような一文を書いた。
「本日から開かれるFOMCよりもBrexit(英国のEU離脱)問題への関心の方が高まっているのですが、節目のFOMCであることに変わりはなく、単月の雇用統計の結果は重要視しないFRBは、個人消費なども含めチェックしています。
この点で、今夜の5月の小売売上高は要注目です。予想以上に強ければ、雇用統計ショックは減じることになります」
そのデータが30分前に発表された。結果は前月比0.5%増で予想の0.3%増を上回った。2015年3月以来の大きな伸びを示した4月のデータは1.3%増とそのまま据え置かれた。もともと1年1ヵ月ぶりの大きな伸びとなっていただけに、その分だけ5月については、揺り戻しの反動鈍化が警戒されていた。しかし、結果は上回ったことで、1-3月期の成長鈍化から回復傾向が強まっている可能性がある。
この結果はドル高金売りの材料だが、いまこの一文を書いている足元で金価格は、昨日の高値1290.30ドルに突っかけようとしている。結局、Brexit(英国のEU離脱)問題の方が材料となり、リスク・オフ傾向が続いている。ロンドンの時間帯にはついにドイツ10年債の利回りは初めてマイナス圏に突入している。ECBのマイナス金利政策と相まり、欧州では金融機関の収益悪化懸念が広がり銀行株が売られている。
金市場ではファンドの新規買いに売りたての買戻し(ショートカバー)が加わるという、性格の異なる2つの“買い”が水準を押し上げている。水準を切り上げるほどに移動平均線の上への突破などテクニカル指標の好転もあり、プログラム買いがヒット(機能)しているようだ。