亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

87年を思い出した

2008年06月11日 22時56分48秒 | 金市場
ブッシュ大統領のドル防衛発言は附録といえば語弊はあるが影響力はその程度。財務省とFRBの意思統一ができているのは、それだけ危機感が強いあかしだろう。前週のECB理事会の後のトリシェ発言(利下げなどとんでもない、状況によっては利上げもアリだよ)をニュースで聞いて当方の頭を過ったのは、かつてブラックマンデー(1987年)の直前のドイツ連銀の対応だった。たしか米国の反対を振り切り金利を高め誘導したと記憶している。大西洋の東西を挟んだ政策の齟齬(そご)が株価急落の遠因とされたのではなかったか。

米国財務省が大慌てにみえる対応に傾斜し、FRBとスクラム組んでドル防衛の大合唱を始めたのは、トリシェ発言がマーケットで一人歩きし、さらに原油の上昇にそしてそれがNY株にドル相場に跳ね返りという負のスパイラルを恐れたからではないか。その素地は先日から書いているが証券から銀行へと金融の決算が続く過程で、不測の事態が起こりえる可能性を考えてという、まさにその「タイミング」なのかも知れない。米国側にとっては、“なんでこんな時に、利上げもアリなんてゆうんだ!!”ということではないか。

表現が難しいのだが、通常はサラリと行き過ぎる材料が環境によっては、それぞれの影響力が高まり“共振”現象が起きてしまうことがマーケットにはある。一時は下火になったモノライン格下げの話が、先週の投資銀行格下げ発表から関心事として急浮上したが、住宅価格の下落が続き、(なんとか抑えているものの)差し押さえの増加が報告されており、銀行の資産悪化が貸し渋り、貸しはがしにつながり、景気に水を差されると、金融政策は完全に行き詰ることになる。ドル防衛というより一時にしろ7月中旬辺りまではドル高が欲しいということだろう。そういう状態を見透かされたなら、果たしてこのドル高は続くのか、疑問だ。米金融当局におもねるエコノミスト、トレーダーのコメントやポジション調整が一巡した後が問題ではないか。金もレンジ下限の850ドルがいいところではないかと、本日ある取材で話をさせてもらった。

まだ名古屋にいる。名古屋は嫌いではないけれど八丁味噌はうまいとは思えない。スンマセン。

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2 コメント

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日経社説 (いつも拝見しております)
2008-06-12 09:40:35
お疲れさまです。

取り急ぎ・・・

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20080611AS1K1100411062008.html
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ドル防衛 (ささやか)
2008-06-12 11:12:15
ドル防衛はアメリカだけでなく世界の主要国の協調が必要ですよね。
昔の主要国だけでなく今の主要国も。むづかしそう。時間かかりそう。それに米国の輸出競争力は?

難しい事よくわかりませんが、八丁味噌は本店で試食したら美味しい事良くわかりました。私は普段は麹と大豆の味噌ですが、八丁味噌は大豆だけみたい。きっとNON大豆ですよね。お味噌かなり高くなりました!今週はカブ畑に嵐ですね。地球温暖化って異常気象の日が多くて困りますネ!
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