バイデン政権の1.9兆ドルレスキュープランが11日に大統領の署名を経て正式に成立した。時限立法として昨年末に復活していた連邦政府による失業手当の上乗せが、3月14日に失効する前に成立を目指すとしていたが、まさに有言実行。その通りになった。そもそも、大方の見方として総額1.9兆ドル規模の予算規模は難しいとの見立てがもっぱらだったので、この点でも見方によっては、想定外ということになる。共和党の提示が6000憶ドルだったので、1兆5000億ドル程度かと思っていたが、当初、共和党が絶対に折れなかった州政府や地方政府へ予算配分も含まれたことで、ほぼ満額達成ということになったと思われる。主要な項目で盛り込まれなかったのは、最低賃金の引上げくらいではないかと思う。
成立したレスキュープランの実行テンポの速さは、1人当たり最大1400ドルの現金給付にも表れ週内に給付がスタート。と同時に法案成立の同じ日の夜にバイデン大統領は、テレビ演説で、州や地方政府に対し5月1日までにすべての成人にワクチン接種をできるよう指示する方針を明らかにした。実行を急ぐ現金給付に失業給付の特別割り増し。個人消費の押し上げを通して景気回復が早まるとの見通しは、ワクチンの普及加速でさらに確実性が増すとの見方が市場に生まれることに。
実際に米疾病対策センター(CDC)によると、12日時点の総接種回数は1憶112万回とされる。少なくとも1回接種を受けた人が6596万人に達し、所定回数のワクチン接種を完了した人は3500万人と全人口の10.5%になると。英オックスフォード大の研究者らが運営するデータベースでは、米国での接種回数は世界最大になったとしている。3月上旬からNY市はヤンキースタジアムなどの大規模接種所を24時間体制の運用にしている。24時間体制など、日本では発想すらないところだろう。結局、10日に「先週末には1日あたり290万回と、過去最高を記録した」としていたバイデン大統領は、11日には前記のようにテレビを通し5月1日までに18歳以上の希望者全員に摂取できる体制を整えると表明することになった。
いずれにしても、想定を大きく超えるピッチで進んだ米追加救済策と新型コロナワクチン接種が、経済正常化期待をさらに高め、結局、長期金利が再び急伸することになった。週末発表の経済指標も押し上げ要因になった。この日発表された2月の生産者物価指数(PPI)が、前月比0.5%上昇。前年同月比では2.8%上昇し、2018年10月以来、2年4カ月ぶりの大幅な伸びとなったこと。インフレ高進の印象だが、いまだ失業者が1000万人前後存在するなど労働市場の状況から、企業がコスト上昇を販売価格に転嫁できるか難しいのではとの見方が一般的ではある。
それでも、個人向け給付金効果から、消費が盛り上がりコストアップ分を吸収することで物価上昇につながるとの見方が台頭。米10年債利回りは12日のNY時間外ロンドンの時間帯から上昇圧力が高まっていたが、NY時間に入っても継続。NYの昼前に一時1.6420%と、昨年2月以来の高水準を付けることになった。こうなるとナスダックに象徴される高PERの成長株は売られやすくなるのは、このところの習い。教科書通りの展開となった。ところが、金市場は上下動はやや大きくなったものの、一時は3営業日ぶりに1700ドル割れまで売られたものの、終盤に買い戻され小幅安で終了ということになった。具体的には、前日比2.80ドル安の1719.80ドルで清算値(通常取引終値)は決まったが、その後の時間外では1725.80ドルとプラス圏に浮上して週末の取引を終えていた。
3月10日のここに、「内部要因からはロングの整理が一巡した状態といえ、反発の素地は整っている」と書いたが、先週末のCFTC(米商品先物取引委員会)のデータでは、さらに重量換算で45トンもの売りが3月3日~9日にかけて出たことが判明。このままショートを積み増す地合いでもないとみられることから、やはり下げ一巡ということではないかと思う。
そもそもレスキュープラン成立が現実のものとなったいま、期待先行で相場が形成されたのは米債市場も同じで、材料出尽くしとならず12日に10年債利回りが上値をさらに更新したことに驚いた。それでも金の下げが限定的だったのは、現状では金利上昇も目先は、ここが一杯ということを、表しているのではないか。
成立したレスキュープランの実行テンポの速さは、1人当たり最大1400ドルの現金給付にも表れ週内に給付がスタート。と同時に法案成立の同じ日の夜にバイデン大統領は、テレビ演説で、州や地方政府に対し5月1日までにすべての成人にワクチン接種をできるよう指示する方針を明らかにした。実行を急ぐ現金給付に失業給付の特別割り増し。個人消費の押し上げを通して景気回復が早まるとの見通しは、ワクチンの普及加速でさらに確実性が増すとの見方が市場に生まれることに。
実際に米疾病対策センター(CDC)によると、12日時点の総接種回数は1憶112万回とされる。少なくとも1回接種を受けた人が6596万人に達し、所定回数のワクチン接種を完了した人は3500万人と全人口の10.5%になると。英オックスフォード大の研究者らが運営するデータベースでは、米国での接種回数は世界最大になったとしている。3月上旬からNY市はヤンキースタジアムなどの大規模接種所を24時間体制の運用にしている。24時間体制など、日本では発想すらないところだろう。結局、10日に「先週末には1日あたり290万回と、過去最高を記録した」としていたバイデン大統領は、11日には前記のようにテレビを通し5月1日までに18歳以上の希望者全員に摂取できる体制を整えると表明することになった。
いずれにしても、想定を大きく超えるピッチで進んだ米追加救済策と新型コロナワクチン接種が、経済正常化期待をさらに高め、結局、長期金利が再び急伸することになった。週末発表の経済指標も押し上げ要因になった。この日発表された2月の生産者物価指数(PPI)が、前月比0.5%上昇。前年同月比では2.8%上昇し、2018年10月以来、2年4カ月ぶりの大幅な伸びとなったこと。インフレ高進の印象だが、いまだ失業者が1000万人前後存在するなど労働市場の状況から、企業がコスト上昇を販売価格に転嫁できるか難しいのではとの見方が一般的ではある。
それでも、個人向け給付金効果から、消費が盛り上がりコストアップ分を吸収することで物価上昇につながるとの見方が台頭。米10年債利回りは12日のNY時間外ロンドンの時間帯から上昇圧力が高まっていたが、NY時間に入っても継続。NYの昼前に一時1.6420%と、昨年2月以来の高水準を付けることになった。こうなるとナスダックに象徴される高PERの成長株は売られやすくなるのは、このところの習い。教科書通りの展開となった。ところが、金市場は上下動はやや大きくなったものの、一時は3営業日ぶりに1700ドル割れまで売られたものの、終盤に買い戻され小幅安で終了ということになった。具体的には、前日比2.80ドル安の1719.80ドルで清算値(通常取引終値)は決まったが、その後の時間外では1725.80ドルとプラス圏に浮上して週末の取引を終えていた。
3月10日のここに、「内部要因からはロングの整理が一巡した状態といえ、反発の素地は整っている」と書いたが、先週末のCFTC(米商品先物取引委員会)のデータでは、さらに重量換算で45トンもの売りが3月3日~9日にかけて出たことが判明。このままショートを積み増す地合いでもないとみられることから、やはり下げ一巡ということではないかと思う。
そもそもレスキュープラン成立が現実のものとなったいま、期待先行で相場が形成されたのは米債市場も同じで、材料出尽くしとならず12日に10年債利回りが上値をさらに更新したことに驚いた。それでも金の下げが限定的だったのは、現状では金利上昇も目先は、ここが一杯ということを、表しているのではないか。