亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

10日の国債入札、無難に通過したものの・・・・

2021年03月11日 22時41分17秒 | 金市場
注目の米2月の消費者物価指数(CPI)と10年債の入札は無難に通過ということになった。

CPIは総合指数の伸びが前月比0.4%と予想と一致。前年同月比では1.7%と、昨年2月以来の大幅な伸びとなった。ガソリン高が全体の物価を押し上げたとされる。もっとも、昨年の2月は新型コロナで騒いでいたのは中国くらいで、当時の米国は通常ペースの経済につき比較ではそうは高い数字は出ないということか。米連邦準備理事会(FRB)が重視する食品・エネルギーを除いたコア指数の伸びは、前月比で0.1%にとどまり、予想の0.2%を下回った。前年比でも1.3%と、1月の1.4%から鈍化ということに。つまり、米債の売り方が期待するほどの内容ではなく、結果判明とともに米長期金利は下がった。

アジアの午後からロンドンと、買いが先行する流れでプラス圏を維持して推移していたNY金は、このCPIの穏当な結果に金利が下がったことに反応、1720ドル台に浮上。午後に入り10年債の入札結果に債券市場は売り買いが交錯したものの、金利上昇につながらなかったことから、終盤にかけても堅調に推移して終了となった。前日比4.90ドル高の1721.80ドルと、復帰した1700ドルをまずは維持して終了ということに。ついでに書くと、プラチナは前日比26.40ドル高の1201.80ドルと約1週間ぶりに1200ドル台を回復。2月中旬にはETF(上場投信)を介して投資マネーを集め一時1300ドルを突破したものの急反落となり、1100ドル近辺まで水準を落としていたが、割れることなく浮上ということに。本日、久々に収録したYouTubeのプログラムにて、「プラチナは相場にリズムが生まれた」としたのだが、昨年秋までは、投資家の関心はほとんど向けられていなかったと思う。

午後に実施された380憶ドルの10年債の入札は、言うなれば無難に通過ということになった。好調に終了とは言えないが、文字通り「無難に」終了。最高落札利回りが1.523%と、入札前取引の1.520%よりも高くなったほか、応札倍率は2.38倍で、平均の2.41倍をやや下回った。海外勢の落札比率は56.8%と、1月の62.2%、2月の60.6%から低下。(一定の引き受け義務がある)プライマリーディーラーの落札比率が上がっており、これが全体的な需要の低調さを補ったとされる。

米国債の入札というと、2021年の2年~30年債までの入札予定は2兆7700億ドルとされ、これは昨年を1兆ドルほど上回る規模とされる。足元でFRBは量的緩和策を続けているが、その規模は月間1200億ドルで、うち国債が800億ドルとなっている。仮に政策変更がない場合、年内のFRBによる国債の買取りは総額9600憶ドルとなる。入札予定額とのかい離は大きく、果たして今後順調に消化できるのか否かが問題となる可能性が指摘されている。入札予定額は変更される可能性があるが、減ることはないと思われ、年後半以降、米国財政の行方は間違いなくテーマになると思う。

広島で桜が開花したと・・いやはや。そういえば今朝、うぐいすの鳴き声を聞いた。下手で、ホーホケキョと、ちゃんと鳴けていなかった。間違いなく「鶯」だと思う。
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1 コメント

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金の動向 ()
2021-03-13 20:26:57
コンゴで金が90%含まれている鉱山が発見されたと報道されましたが金価格に影響はないでしょうか?
埋蔵量によると思いますが。
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