亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

突然の急反転(Stampede)

2013年12月05日 20時08分41秒 | 金市場

1200ドル割れを思わせるジリ安の展開から一転し、急反発となった4日のNY金。このところ約半年近く前の6月下旬のような下げ足が加速した状況と異なり、じわじわと下げる展開は質のいいものではなく、反転が読みにくいパターンに陥りつつあった。しかるに4日はそこにADPの民間雇用のデータが予想以上にいいという材料が重なりながらも最終的には急反転となった。一時は1210ドルに接近し1200割れを視野に入れたところから反転し、1250ドル超えまで駆け上がることになった。

関心を持って金市場を眺めている人には言うまでもないが、年末に掛けて欧米の投資銀行の価格見通しなども発表されたが、総弱気といったところで、したがいこのところファンドもショートの積み増しに余念がなかった。ゴールドをショートし株をロングにするモデルである。その中でファンドは、ショートの積み増しに余念がなかった。とりわけ11月20日に公表された10月のFOMC議事録要旨が予想外にタカ派的なものとなっていたことが判明して以降拍車がかかった。ただし一方でポジションが片寄り過ぎることに対する警戒感もあり、先週は1275ドルを行使価格とするコール・オプションが買われるという動きも見られていた。

結果的に現地の昼過ぎにまとまった買いが入り急反転するとショート・カバーを次々引き出すような形で内部要因主導というか、外部要因を無視したような上昇につながった。市場の行き過ぎ(売られ過ぎ)への警戒感が底流にあるとも言えようが、好調な経済指標の発表が続く中でも今月のFOMCにて政策変更が見送られる可能性がなきにしもあらず、ということを予見した筋の動きということもあろう。

明日に予定されている雇用統計が言うまでもなく焦点だが、クリスマス商戦の真っただ中で、株式市場もやや神経質な動きをしている時に、Tapering着手というのも難しいのではないかと思っている。これは先月いくつかのセミナーなどで話した内容でもある。



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