今週は経済指標の発表という面では主なものはなく、その点で材料的には端境期といえる週だった。したがって、各方面値動きといってもドル円の80円割れが目立った程度。来週はFOMC前ではあるが、後半にかけて米国関係では複数の製造業景況感指数の発表から住宅着工件数、小売売上高、そういえば週初に中国のCPI物価上昇率の発表などもある。
後半の景況感指数は、そもそも1ヵ月前のこの指数の変調から、アララ?ということになり、その後いろいろ重なり雇用統計でアレマ!ということになった。つまり、後半のデータによっては、FOMCの結果を深読みするかたちで金市場にも値動きが出る可能性がある。まぁ、この場合“深読み”ということだけど。結果によっては、織り込みに掛るというわけ。
今週触れなかったものでOPECの総会があった。結果は既に報道されているが、増産を主張するサウジの言い分が通らず、合意に至らなかった。決裂は数十年ぶりとされる。
OPEC総会は、これまではいわばサウジの思うままに運営されてきたわけで、「サウジが敗れた異例の総会」という米系の報道を目にした。サウジ、クウェート、カタール、UAE(アラブ首長国連邦)の4国が日量150万バレルの増産を主張、イラン、ベネズエラなどが反対と聞くと、反米派の反乱と映るかもしれない。
原油の上昇がガソリン価格の急騰につながり景気回復上の悪材料になっている折でもあり、何らかの働きかけでサウジが動いたという連想を誰もが抱くだろう。その辺りをアウンの呼吸で感じ取ったサウジということもあろうが。そもそもサウジなど一部を除き、増産余力もないのが実情ともされる。ただし、今回の反対派にはアンゴラやアルジェ、イラクといった穏健派とされる国々も加わっており(・・・それゆえ合意に至らず)、やはりこれまでの総会とは趣が変ってきているといえる。
思うのは、この辺りにも中東・北アフリカを巡る政情の流動化の影響が出ているのでは、ということ。米国覇権の落日。今回のOPEC総会は、この政治的な文脈で理解するならば、後になって大きな節目になった総会ということになるのではないか。
ある商社のレポートで笑ってしまったのは、OPEC各国がどれだけの原油を生産しているのかは公式に発表されておらず、世界中の原油輸出港で望遠鏡を片手にタンカーの動向を逐一記録しているグループのデータを集計して出したものが最も信憑性が高いデータと目されているという話があった。さも、ありなん。地道に足で稼いだデータを積み重ねたものを、あのIEA(国際エネルギー機関)も基礎データにしているらしいと。。
余談だが、とうもろこし、すなわちコーン価格が過去最高値を更新。米農務省(USDA)が穀物需給報告で2011年度の期末在庫を下方修正したのと、生産見通しも減少する見込みと。先日まで大旱魃が伝えられていた中国長江流域が今度は大洪水という話があったり、チリでも50年ぶりの大規模な火山の噴火とか。おやっ!と思ったニュースに、太陽活動が落ちているというものもあった。環太平洋の火山は、今回の地震のみならずここ数年の地殻変動にからんだ動きだろうし、我らの時代が波乱の星廻りにあるということだろう。
小麦もオーストラリアのがよいです。讃岐うどんやそうめんはあれでないといけないとかいいます。
食料安保は私もいくらか考えて、米を権利として自家用米を将来にわたり確保したいと考えていますが、現在は60キロのみであと90キロが不足です。地方に住んでいても確実なかつ長期的な確保は難しいですね。
手元の年表を見ると2000年以降大地震は日本列島だけでも6回、今年の震災で7回目です。東日本に集中していて、とりわけ岩手が多くお気の毒です。今月は海外旅行に行ってきました。日本人ツアー客は関西弁で喋る人が多かったです。成田に帰ると車窓から見える家々は細々と小さくて田畑の区画も小さい、日本が本当に貧しく見えて切ない気持がしました。