亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「ラスト・イベントに向けて買戻し」

2013年12月10日 21時22分18秒 | 金市場

金市場でのショート・カバーは続き、主要な経済指標の発表のなかった週明け9日もそれは続いた。ショートのカバーゆえに燃料切れで相場は終わりと目されるが、さてどうなるか見もの。意外と上値を追うこともある。確かに売り方は今年1年稼いできたと思われるので、クリスマス前の第一弾のイベント、雇用統計を超えてまずカバー。続けてFOMCが第二弾ということで手仕舞ってクリスマス休暇入り。すでに休みに入っている向きも多いだろう。

9日は、地区連銀の総裁の講演がいくつか重なったことで、その発言内容が主要ニュースのない中で注目された。

タカ派で知られるダラス地区連銀のフィッシャー総裁は、「緩和縮小を始める時期に来ている」として来週のFOMCにて資産買い入れプログラムの規模縮小開始を決定し、終了に向けた道筋を示す必要があるとした。フィッシャー総裁は、来年のFOMCから投票権を持つことからその発言が注目されている人物。同じくタカ派とされるリッチモンド地区連銀のラッカー総裁は、FRBのバランスシートの拡大が進み、緩和策を終了する際のリスクに言及。当初ばら撒きによるインフレを理由に反対を唱えていたメンバーが、インフレが起きなかったことでバランスシートの拡大に懸念を表明という移行が多いらしい。

バランスシートに関しては、同感という人は多かろう。いまや“大き過ぎて動けない”から、放置するというか、せざるを得ないことになる。これをもって「引き締めではない」と言われれば、確かにそうですね・・・ということになる。

9日の発言で注目を引いたのが、セントルイス地区連銀のブラード総裁。ここまでインフレ率が低過ぎることを理由に緩和縮小に反対の立場を取ってきたが、雇用統計の結果を受けて「資産購入のペースを落とす可能性が高まった」としたと。中間派とされるが、どちらかというとハト派寄りと目されてきたので、見方が変わったという受け取られ方。面白いのは、減らしてみて、その上で様子見て物価上昇が目標(2%)に遠いようならば、また増やせばいいという方針を示していること。これには、かえって市場に混乱を与えかねないと反対のメンバー複数いるようだ。

それにしても、各人それぞれ思い思いに語る機会が増えたのは、バーナンキ時代の置き土産ということだろうか。いずれにしても、春までにはやるだろう・・ということで関心度は低下。そういえば米国議会が再開する。イエレン承認は今週中か。


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