前回市場予想を大きく上回る29万人超の増加という発表に市場が一時色めきたった給与計算など雇用関連サービス会社ADPの手による民間部門雇用者数のデータ。日本時間の昨夜発表された今回のデータも市場予想の14万人増加を上回る18万7000人となった。ただし前回12月は2日後の政府発表の非農業部門雇用者数の増減が11万3000人増とADPのデータとのかい離が大きく、拍子抜けするという結果となっていた。結局、昨年初めくらいからこのデータは本チャンの雇用統計とのかい離が大きくなってきているという認識が広がることになった。したがって、この数字は、あくまで方向性を示すものという位置付け。今回の発表に際し前回の29万7000人は24万7000人に下方修正されている。雇用面では本日は木曜日につき、米失業保険の申請件数がこれから日本時間の22時30分に発表予定。前回は45万4000件に増加していた。
日本時間の今夜はECBの理事会もあり、さきほど予想通り政策金利の変更ナシが発表された。
こちらはトリシェ総裁の記者会見が注目される。前回、インフレ率の上昇からタカ派的な発言(方向性としては将来の利上げを示唆する発言内容)から、その後のユーロ・ドルの上昇につながった経緯があり注目度が高い。しかし、ECBがインフレ抑制を第一義としていることはわかるが現在の状況下、出口戦略など示唆するのも無理でしょ。
そのユーロ圏で本日実施されたスペイン国債(2年、5年債)の入札は成功裏に終わったようだ。いずれも前回発行よりは50bp(0.5%)発行条件が(スペインにとって)改善されていた。このところEU内で安定化基金の規模や適用についての見直し論議が進んでおり、足元で一定の安心感が醸成されていることも効いていると見られる。3月下旬のEU首脳会議で当座の枠組みの合意を目指しているが、そこまで小出しで方向性が示されることになりそうだ。船頭多くして船山・・・・ではないが、迷走というイメージ。
今夜はバーナンキ議長の講演も予定されているが、日本時間の明朝3時。ところで昨年末にかけて急騰し注目された米10年債金利だが、足元で過去1ヵ月半あまりの取引レンジの上限に達している。昨年12月16日の3.517%を抜いて上昇するのか否か。金価格も断続的な売りが続いている。
何れにしても明日の雇用統計を前に、本日は目先のイベントの総覧になった。