14日のNY金は1800ドルが超えたものの上値は重く1801.90ドル止まりとなった。まぁ、心理的節目の価格でもあり、売りが控えるのは止む無しということ。100日あるいは200日移動平均線が位置する水準でもあり、1800は超えさせたい向きと超えさせたくない向きが存在するオプション絡みでも節目につき、攻防戦ということか。忘れてしまっている人が多いようだが、1830から1835ドルのラインを越えられずに、押し戻されたのが9月の初めレーバーデー前のこと。それもあり、売りが出やすい価格帯。ここから押し戻されて、どの辺りで均衡点を見つけるかがポイント。
今夜は(15日の米国)、9月の小売売上高が発表されるが、およそ1カ月前の9月16日の8月分の発表に際し、減少予想に対し増加のサプライズとなり長期金利が急騰(といっても水準は1.3%台で低かったが)、ドルインデックスも急伸で、NY金は2%以上38.10ドル安になった経緯がある。シルバーもプラチナも売られたのだった。デルタ株の感染が急拡大している中でも堅調な小売りが、FRBの政策巻き戻しを加速させるとの判断をしたロボットが、米債を売ったのが背景とみられた。
しかし、余談だが1日2%前後、30数ドルの値動きが上げにしても下げにしても、このところの目だった動きは、この値幅になっている。今週も起きた。。
もうひとつミシガ大学の消費者信頼感指数の発表もある。株価が上がっていてもインフレ懸念が個人のセンチメントを傷め、この夏は急低下した経緯がある。8月中旬には、この指数が材料でNY金は1日で30ドル近く跳ねたのだった。こうして振り返ると、ロボット(プログラム)に振り回されているのがわかる。
話を本日発表の小売売上高に戻すと、9月分の市場予想は、前月比マイナス0.2%と再びマイナスに転じる見通しとなっている。ただし、サプライチェーン問題もあり自動車販売が落ちていることを除くと、プラス0.5%との予想になっており、そのあたりを債券市場がどう判断するかで長期金利の行方が決まり、金の方向も決まるということか。
「GDP・Now」といってアトランタ連銀がFRBと似たモデルで発表されるデータに基づき逐次GDPの予測値を発表している。7-9月期GDPの予想値は7月時点で6%程度となっていた。その後発表されたデータの不振から先週末8日の雇用統計の後は、1.3%まで下がっている。本日の小売りのデータを反映した新たな予想値が発表される。個人消費に関連するので、小売りのデータは注目度が高い。