亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

大きな意味を感じない金1000ドル

2009年09月09日 21時43分37秒 | 金市場
さて一時は2月の高値を更新したものの利食い売りに押し戻された価格は、アジアの時間帯はおおむね1000ドル超を維持。その後前日とは逆にロンドン入りとともに売られた。ただ売られたといっても993ドル程度なので、騒ぐほどのこともないのだが。

思うのは、1000ドル、1000ドルと騒がしいのだが、それにどれほどの意味があるのかと・・・いうこと。7月以降、ここまで2ヵ月余り。NYコメックスの終値ベースでここまでの平均価格は948ドルとなる。8月は夏枯れの中でも自然体で940~965ドルのレンジ相場を形成してきた。それを考えると1000ドルとはいうものの上昇の起点は高く、直近の安値からの上昇率も年始2月に比べて小さく、直前のレンジからのかい離率も小さい。1000ドルが、かつての感覚からは大きな数字ではあったものの、いまやそうはなくなっているといえる。心理的なラインであるのはわかるが、あくまで心理的であって、現実の相場はそれを飲み込みに掛かっているように見える。よほど環境が変わらなければ、押し戻されたとしても975、960、950、945などという数字がメドになるであろうし、むしろ1000ドル近辺を出たり入ったりしているうちに受け入れられるのではないかと思っている。つまり1000ドルを過大視する心理的な要因が値を抑えているとも言えるのではないか。

表現こそ違え昨日も書いたが、本日から週末にかけてのNYの展開は、いまの市場のいわば“持久力”を見る上で試金石となりそうだ。今回の展開はこれまでとは違うと思うのだが。

・・・・・・・こういう話を本日夕刻にみえた某紙の記者氏に話したら、少数派意見ですねぇと言われた。実需の裏付けのない相場は押し戻されると。。

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いま、みたび(三度)の1000... | トップ | 大型ヘッジ外し公表 »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
実需 (fairlane)
2009-09-09 22:09:54
そうはいっても、これからインドではヒンズー教の大きなお祭りがあって、金需要も見込まれてますよね。

そもそも実需の裏付けで相場が動くのなら、700ドル台、800ドル台の時の小口の現物不足の時にすぐ回復したはず

あのプレミアはなんだったのでしょうね。

2~3のアメリカの投資銀行の思うがままに金相場は動くのではないかと自分は思ってます。CFTCは取り締まる気ゼロですが。銀相場は惨すぎかと。
返信する
Unknown (ササミ)
2009-09-09 22:42:04
>>fairlaneさん

インドの大きなお祭りと言っても実はいつもやってるんですよね。富裕層がお祭りの時に金を買い漁るというのもありません。
もうすでに所有しているのを出すだけです。

衣食住や移動の消費は増えますが。


返信する
米7月消費者信用残高 (いつも拝見しております)
2009-09-09 23:07:59
静かな波紋ですね。
夏休みがいかに冷めていたかがわかる数値でした。
日本、特に東京では夏休み期間はそこそこの交通量があったと思いますが、9月に入ってから少なくなったと感じてます。
景気ウオッチャーも見ると落涙なしに見られませんでした。
流動性相場がどこまで引っ張れるか見物中です。
返信する
そうなんですか (fairlane)
2009-09-10 01:29:33
ささみさん

そうなんですか。自分はインドの金投資記事(インド人が英文で書いてる)を見て、なるほど、と思ったんですね
インドの人の暮らしぶりやヒンズー教は何も知らない自分です
返信する
すでに過去の前提は変わった (sinn)
2009-09-10 08:48:50
今や、投資需要は実需だ。そもそも、宝飾品需要が金の実需というのがおかしい。金こそは真の国際通貨のはずなのだ。金に始まり金に終わる。それが資本主義の運命だ。
返信する
こだわりの1000ドル (ささやか)
2009-09-10 10:14:10
単純に「金は年初来高値を取った。さて、これから、どうなるか?」ではいけませんか?
1000ドルは長い間憧れの高値だったのでこだわりが捨てきれない所がある。ここら辺りで頭を切り替えないと、と今思っているのですが。
金の投資家が増えたけどその分動きが重くなった。沢山の人の期待と思惑が重いのでしょう。
今1000ドルの大台乗せに何度も挑戦中と考えると凄い事ではないですか!
こんなに高くなったと考える人もいっぱいいるから慎重にとも思いますが。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事