亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

大型ヘッジ外し公表

2009年09月10日 20時35分31秒 | 金市場
昨日からの金市場の話題は、なんといってもバリックゴールド。海外メディアが報じるところによると(多少の温度差あり)過去3ヵ月にわたり240万オンス(約75トン)の買い戻しを実施済みであると発表。同時に今後12ヵ月で残り540万オンス(約93トン)の買い戻しを予定。そのために大型増資を発表。希薄化を嫌がりバリック株は下落。
いうなれば相場観を誤り、これから“踏まされる”わけです。その損金の手当を増資で賄おうと。

この世界最大のカナダの金鉱株会社は、かつてはヘッジ戦略の成功で名を馳せたところ。2001年以降は金価格の上昇とともに逆にその曲った残の存在に苦しんできたところ。それでもノン・ヘッジ宣言をしてからは、市場の関心事としては薄れていたのは事実。ヘッジ外し自体が大どころの買い戻しも一巡気味で、調査会社のGFMSも2009年は、ほとんどディヘッジ(ヘッジ外し)は出ないだろうという前提で動いていたはず。この発表がもたらす市場への影響は微妙。これまで実需の買い水準が上昇してきていたのは事実だが、それはアジアだなんだと指摘されてきた。それも間違いではないのだが、かなりの部分バリックの手当買いということになる。相場の組み立て条件が微妙に変わってくるわけだ。といっても大勢はかわらないが。

こうなってくると、残る大手アングロ・ゴールド・アシャンティがどう出てくるか。300トンほど残が残っているとされ、こちらはここまで解消を念頭に少しずつ動いてきたはず。当たり屋ヘッジファンドが筆頭株主になったことが判明しており、どうなるか。

まだ9月の初旬だというのに、ほとんど10月頃の季節の様相。涼しくて爽やかでいいのだけれど、このまま冬も早いのかと。スワイン・インフルが景気の阻害要因にならねばいいがと心配です。決まったスケジュールがある人は、このインフルエンザには戦々恐々でしょう。かくいう私めも同じ。ところで皆さんの書き込みのお陰で、改めて「実需とは何か?」ということを考えるキッカケをもらいました。感謝です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大きな意味を感じない金10... | トップ | あれから8年(9月11日) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事