医療崩壊

2009年06月24日 | 日々のこと
 佐久総合病院の事務長の油井博一氏に「地域医療の現状と課題」で講演いただいた。

 佐久総合病院という医師が200名もいる大学病院並み規模のお膝元にいたから、どんなに夜中であろうと、飛び込めば診察していただける幸せを享受してきた。

 数年前、出張先の都会で倒れた友人に付き添って、救急車に乗ったものの受け入れ先がなかなか決まらず、心細かった思いをしたことがあった。佐久に住む有難さを実感したものだった。

 しかし一方、知人の勤務医たちの働き様は異状だった。36時間連続勤務なんて言葉を知ったのもその頃か。

 そして一番目に付いたのが、医院の開業ラッシュだった。勤務医では身体が持たないという現実があったのだろうか。

 地域医療の現状について
○ 慢性的な医師不足
○ 医療費の削減政策が進んできた。
 医療費亡国論なるものや、医師過剰時代が到来するという嘘が唱えられ、医療費が削減され、赤字病院が増えた。

 最近の不況の中で後期高齢者医療など、切捨て政策のイメージがうまれたが、実に昨年から、受診者が4~5%減っているのだという。

 自分の保険を持たない人が増え、病院も未収がふえているのだという。国民皆保険制度の危機でもある。保険料を払えない人が増えてきている現状。医療に市場原理がうまれてきている。

 妊婦検診も受けずに、飛び込みお産も増えているという。 周産期医療とはお産の前後の医療だが、産婦人科の厳しい労働条件の中で、そっと辞めて行く「立ち去り型サボタージュ」が増えている。そして訴訟問題。

 2006年の事件以来、産婦人科医が激減した。佐久だって里帰り出産の受け入れをやめた位で、若い夫婦に危機感が漂った。

 医師不足は僻地と言われる所は昔からだったが、16年の研修医制度の変化から、あちこちの病院でも起きている。新聞上でもしばしば取り上げている問題である。
大学病院も研修医を安いお金で使っていたのに、大学に研修医が残らなくなったために、地方に派遣していた医師を引き上げるようになったのである。

 昭和45年ごろと現在とでは、入院者数も受診者数もそうは変っていないのに、医師の人数は4倍になっていた。これの意味。医療が高度化になっているということだ。これは寿命が延びたり、助からない人が助かったりということなんだろうな。

 コンビニ受診・・・・24時間いつでも受診・・・・患者側に問題が十分あるということだろう。
 モンスターペイジェント・・・最近この手が多いらしい。
 女性医師の増加・・・・とっても好ましいことなのだけど、医療現場が厳しくて医師を続けられない。 

 佐久地域の麻酔科・小児科・産科の医師の少なさ、血液内科にいたっては、東信地区で佐久総合病院に2人しかいないのだという。

 佐久の医療をこの医師たちの激務が支えてくれている現実を知り、私たちも患者にならないように、日頃身体を大事にするとともに、患者となったら、少しは謙虚にいこうね。

油井氏のテンポの速い(1時間半では中味が濃くて話しきれなかったのだろう)話は、聞く人の心臓を鷲つかんだ。私と同じように知ってはいても・・・・ここまでとはという方が多かったのだろう。

 もっとお伝えしたいことはいっぱいあるけれど、正確に氏のお話が私の頭にインプツトされていない場合、ご迷惑をおかけするかもしれないのでこの程度でごめんなさい。

 依田 美恵子

    軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


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コメント
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