Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

食パンで伝統音楽を伝承する

2009年01月02日 | バリ
 パソコンのゲームに熱中している子どもがいる一方で、一生懸命、村に伝承する伝統音楽を学ぶ子どもたちだっています。ここ半年でだいぶ上達。
 私「この音楽好きなの?」
 子どもA「好きだよ。でもゴング・クビャル(ガムラン)の方がもっと好き。」
 子どもB「ゴング・クビャルは子どもには教えてくれないから」
 子どもA「それに、ここで教えてもらうと、パンをくれるからね。」
 そうですか、やっぱりあなたたちパンでつられてきているんだね。ちなみにパンというのは、食パンのこと。テー・ボトルという砂糖入りの紅茶とともに一人に食パンが一枚配られて練習の休憩に楽しそうに食べている姿はあまりにも印象的でございました。もっと、もっと食パンを食べて上手になってね。そしてこれから後も、ジャムやクリームが塗っていないと食べられないなんてわがままを言う子どもにはならないでね。あなたたちがこのアンサンブルの次世代を担っているのですから。


ゲーム機としてのパソコン

2009年01月02日 | バリ
 調査地の一軒家の片隅に子供たちが集まってなにやら楽しそうに何かを見つめている。ちょっと覗きこんでみると、なんとパソコンのゲームに熱中しているのである。下が幼稚園の年齢から上は中学1年まで、なんだかパソコンのディスプレイは世代を超えて存在しているようだ。
 ちなみにこのパソコンはネットに接続されていないのである。だいたいこの村で電話がひかれているのはわずかで、もっぱら携帯電話を利用している。「家電(いえでん)」より携帯の方が先に普及してしまったわけだ。日本とは違ってインドネシアではそれが普通である。
 ゲームをしているパソコンは、たまに仕事で使っているといっていたが、子供たちにパソコンについて聞いてみると「ゲームをする機械」と明るく答えてくれた。データを入力して編集するとか、文字を入力するとか、そういう機能を持っていることを知らず、パソコン=ゲーム機と考えているのには驚かされる。とはいえ、パソコンの前でゲームに興じている日本の大学生のことを考えると、日本だって同じようなものかもしれないけれど。


憂鬱な雨降り

2009年01月02日 | バリ
 バイクで調査地の村へ向かう。普段ならデンパサールから1時間程度で着くのだが、雨が降ったりやんだり。少しの雨ならばレインコートを着ているので大丈夫なのだが、土砂降りになると雨宿りをしなくてはならず、行く道はその繰り返し。普段の2倍以上の時間をかけて行かなくてはならなかった。
 沖縄で雨が降ればバスがあるのだが、こちらでは雨が降ってもバイク。ベモという乗り合いバスで出かけることもできるが、私の調査地までこの方法で行くと3回乗り換えで、時間も相当にかかる。だいたい出発時間などは決まっておらず、出発地点で満員にならなくては発車しない。そのためターミナルのバスの中で30分待つなんて日常である。
 雨季のインドネシアで調査をすれば当然こうなることを想定してはいても、これから1週間以上、毎日雨との格闘が続くのである。まさに憂鬱な雨降り。明日天気になあれ!


おせち料理

2009年01月02日 | 家・わたくしごと
 これまでの人生の中で、正月は東京の実家かインドネシアだった。驚くことに沖縄に住んで今年で10年なのに、まだ一度も元旦を沖縄で過ごしたことはない。今年は事情があって実家に帰らないために、初めての沖縄での正月なのである。
 そんなこともあり、今年は正月らしい正月はないのだろうと勝手に考えていたのが、かみさんがおせち料理を用意してくれていた。やはり日本にいれば毎年、一度は食べていたハレの料理、これを食べると「正月」を実感できる。まさに日本の食文化であり、儀礼食である。
 子どもの頃、正月の朝、どうしても普通の朝のようにパンが食べたくてごねたことがあるが、その日は元旦にもかかわらず父にえらく怒られた記憶がある。父は儀礼食の意味を教えたかったのだろう。今、もし息子がそんなわがままを言えば、私もきっと父と同じようにしかるだろう。息子は泊まりで出かけているためにまだ会っていないのだが、今晩はやはりこんな料理が並んだ中で、お年玉を渡すのが私がイメージする「お正月」である。