Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

『ガムラン、ゆらぎの音色』

2009年01月27日 | 
 大学の後輩で、バリを愛するガムラン仲間の一人が本を出した。『ガムラン、ゆらぎの音色』。昨年末には送っていただいたのに海外調査やら、帰国してからの忙しさの中でなかなか落ち着いて読む時間がなかったが、本日、すべて読み終えた。
 著者のバリのガムランに対する気持ちが文章から伝わってくるし、音工場ではバリの講座生、しかし本職はプロカメラマンの写真もまたすばらしい。またガムランを知るための基礎的な知識もこの本から学び取ることができるように工夫されている。
 彼女の文章から感じることは、常に自分が日本人であり、バリを通して日本人である自分や日本を見つめなおそうとしていること。日本人として日本でバリの音楽活動をする著者の立ち位置がはっきりわかる。そんな彼女の作曲した作品が二曲、付録のCDに収録されている。ガムランの「ゆらぎ」と、本の表紙を飾った寺院の前のペンジョールが風で前後左右に「揺らぐ」そんな錯覚を覚えるような作品。