Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

小学校5,6年生対象「バリ島の音楽と踊り入門」

2009年07月09日 | 大学
 今月26日、私の教える大学で小学生5,6年生対象にバリ島のガムラン音楽と舞踊の半日講座を行うことになった。タイトルは「バリ島の音楽と踊り入門~きいてみよう・みてみよう・やってみよう~」である。文字通り、バリのガムラン音楽と舞踊について、講義を聴き、演奏や上演を鑑賞し、実際にそれらを体験するという半日で三つのことをやるというなかなかすごい講座であり、かつて小学生向けどころか大人向けにもこれだけ密なる講座を開講したことはない。
 話を聞くことも、もちろん上演を鑑賞することも重要だが、子どもにとって実際に体験するというのはとても大切なことだと思う。わずかな時間の経験でも体を動かした記憶は意外も長く脳裏に刻み付けられるものだ。それも日常生活で触れるものとは、全く異なる姿勢だったり演奏だったりすればなおさらである。
 自画自賛しているだけでは参加希望者は集まらず、これから締切日まで大学近隣の小学校をまわったり、あちこちに掲載を依頼したりと広報につとめなくてはならない。沖縄でガムランに小学校高学年を25名集めるのはかなりの難題なのだ。インターネットでも申し込みが可能で、もしかすると「観光ついでに北海道からこれに参加したい」なんて親子の希望があったらもう驚きである。あいかわらず途方も無い夢の見すぎであるのだが、まあ可能性は限りなく少なくてもありえない話ではないので・・・。ご興味のある方は、上記のポスターに書かれた電話番号にお問い合わせいただくか、「バリ島の音楽と踊り入門」とGoogleに入力してみてくださいね。ブログ検索をしてもだめ。このブログの記事を見つけてもグルグルまわるだけでしょう?

インパクト大

2009年07月09日 | 大学
 7月19日に上演するワヤンの大きなポスターが沖縄に送られてきた。といっても公演は山形の山間部なので、たとえ沖縄に貼ったとしても、まず集客の役には立たない。しかしせっかく送られてきたのだし、おもいきって研究室の扉に貼ることにした。
 音楽学部の建物にはたくさんのチラシやポスターが貼られているが、その大部分は「西洋芸術音楽」に関するもので、髪を振り乱して指揮をしているとか、ドレスを着た顔写真(時にはいつ撮影したのかわからないものもある)が並んでいるとか、ピアノに片手をついてにやけているといったものだ。どんな写真であれ、「個人」を露出するのが西洋芸術音楽の常道のようだ。しかしわれわれの世界の音楽で、「個人」を強調したものはほとんどない。内山田洋とクール・ファイブみたいな名前をつけているグループもまれにあるが、たいていはグループ名のみ。個人名が書かれていても顔写真が出るというのは相当に稀である。
 今回のポスター、写真はワヤンのスクリーンに映る人形である。まずワヤンを知らない人々にとって不思議な光景であり、きっと「こりゃなんだ?」と目を止めるに違いない。それだけでも十分インパクトがあるのだが、なんといっても強烈なのはこの写真の下の文字とその地の色。黄色の地に黒文字と赤文字は目に刺さるようだ。このポスターの貼ってる廊下は、数十年前の病院を思わせるような暗さで、私はここを「憂鬱の廊下」と名づけているが、このポスターが貼られている間はこの黄色が照明のようで、しばらくはここで「憂鬱な気分」に陥ることはなさそうである。