Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

マドラーから攪拌棒へ

2009年07月13日 | 家・わたくしごと
 実家でジントニックを作る。毎晩、父は晩酌するがその種類はビールはもちろんのこと日本酒、焼酎、ウィスキー、ワイン、カクテルなど実に幅が広い。家にはそれ相当の種類の酒類がストックされていて、常に無くなりそうになると補充するために少なくても家にある種類の酒は切れることがないらしい。実に父の性格を反映している。
 さて、グラスに氷とジンを入れてトニックウォーターを注いだあと、当然、ジンが均等になるよう軽く混ぜるのだが、その時、父が驚くべき単語を口にしたのである。それが「攪拌棒でよくかき回して」。混ぜる=攪拌させるための棒のことで、もちろんきわめて正しい日本語である。ようするにジンを攪拌するわけだし。
 「攪拌棒」とグーグルに入れて検索すると、これは理科実験や医学系の道具として掲載されている。すべてのホームページを見たわけではないが、「攪拌棒」を記した頁は、いわゆる「マドラー」と混同されて用いられてはいない。つまり同じ攪拌棒であっても、「攪拌棒」は学術的な世界の道具であり、「マドラー」は酒の世界の用語なのである。考えてみれば父は確かに理系の人間だ。しかし私は「攪拌棒」という三字の漢字からなる言葉の響きがひじょうに気に入ってしまった。今ではカクテルだって、ゆずや梅などの和風テイストのものが次々に出ているわけで、そう考えてみればもはやカクテルは舶来の洒落た飲み物ではない。そう考えてみれば、思い切ってマドラーから攪拌棒へ名称を変更し、おもいきり和風テイストでいこうじゃないか!