Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

悪役好き

2009年07月14日 | 家・わたくしごと
 ワヤンの練習が終わるや否や、何人かのメンバーが善側のヒーローであるスタソーマの写真を撮らせて欲しいといってきた。もちろん何の問題もないので、スクリーンにスタソマの人形を立てると携帯で撮影。それで撮影会はあっという間に終了?
 「あの・・・悪役のプルサダも格好いいんだけど」とそのあとプルサダの人形を立てた。一人を除き、ほとんど興味を示さない。やっぱり皆ヒーローが好きなんだなあ。怪獣よりウルトラマンか。ぼくはね、どっちかというとそんな悪役の方に常に思い入れがあるんだけどな。「根っからの悪」でその悪行がたたって正義の味方に殺されちゃうという勧善懲悪の話は、ワヤンの演目にたくさんあるけれど、ぼくはそうした話よりも「わけあり」の憎めない悪役の方が好き。たとえば、本当は「いい奴」なんだけど、結果的に悪役になって戦っちゃうみたいな人物。
 プルサダもはじめからそんなに悪い王ではなかったんだよ。料理人がその日に調理する肉を盗まれたことから、仕方なく人間の肉を食べさせちゃって、たまたま王がそれに味をしめちゃっただけなんだから・・・。善から悪への転換なんてほんの紙一重なんだ。人間なんて本当は弱い動物。でも最後はちゃんと過ちを認めるでしょう?自らの過ちに気づいて「ごめんなさい」って心から言える人は根っからの悪人じゃないんだ。だから、あえて私の写真はプルサダ・・・。