社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「チームワーク」副田あけみ 『総合リハ』 38巻11号 2010年11月

2011-01-06 21:13:21 | 社会福祉学
 地域包括支援センターが多機関・多職種をチームを組み、チームワークを発揮することの難しさについて分析し、問題解決のための策を提案している。
 地域包括支援センターが舞台となっているが、自身が所属している組織の機能と照合し、共感できる部分、学べる部分は多くあると感じた。

引用
チームワーク類型
a.職場チーム:単一組織内の職場チームで、総合病院の看護職チームなどが典型例である。
b.ケアチーム:高齢者や家族、ケアマネジャー、サービス提供者などでつくる利用者中心のチームで、サービス担当者会議を中心に協働する。
c.ネットワーク型チーム:委託型地域包括支援センターが「問題複合事例」を支援するに際して、関係機関・職種を招集してつくるチームである。
d.公式チーム:より深刻な「問題複合事例」への対応を担う高齢者福祉主管課職員などをコアメンバーとするチームである(高齢者虐待担当チームなど)。


 在宅療養支援診療所に勤務していた頃、「どうして行政はここまで逃げ腰か?」と思ったことが何度もあるが、これはどうやら本論文で指摘している「機関間における権威、権限の序列」に原因があったのかもしれない…と気付いた。
 なんらかの疾患を有している利用者(住民)に対しては、医療的な判断が優先され、それに基づいてケアの方針が決められる。それゆえに、「先生のところにお任せします」という姿勢を行政が持ってしまうのは、いたしかたないのかもしれない。しかしだからといって協働から手を引く理由にはならず、場面に応じてリーダーシップを取って欲しいと、やはり期待してしまう。
 時には黒子となり時にはチームを引っ張り…そんな役回りを適切に担える職種、機関はどこなのだろうか。少し考え込んでしまった。

コメント
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