社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「医療・保健・福祉領域での協働のあり方-医学的リハビリテーションにソーシャルワークの視点を援用して-」

2011-01-12 10:52:08 | 社会福祉学
福山和女『総合リハ』第38巻12号 2010年12月

 保健・医療・福祉における協働体制に焦点を当て、それを稼働させることの意義についてソーシャルワークの視点から検討している。
 筆者が長年説いている、ネットワーキング、問題の外在化等を分かりやすく知ることができる。

引用
連携⇒断面的・直線的志向
協働⇒立体的・円環的志向
ネットワーキングとは?⇒「福祉・保健、医療の専門機関間で、互いの専門性を駆使し、社会で人々の生活支援を包括的に行うための協働体制を利用者と共に形成することであり、そのプロセスも含む」

「ネットワーキングは、専門家同士および利用者本人と家族との交互作用から生まれる」


 援助者は、援助方針に沿った行動をしない利用者本人や家族に対して、「理解力が足りない」「困難ケース」と言ってしまうことがある。これは筆者がいうところの「問題の内在化」であり、「問題=利用者本人、家族」という認識に基づいている姿勢だ。しかし、何らかの問題を抱えて最も苦しんでいるのは利用者本人・家族であり、援助者ではない。それを理解する一つの見方として、「問題の外在化」という視点がある。
 援助者はどのように協働体制をとり、そして何に焦点を向けるか…これを間違えると、「援助のしにくさ」「利用者への間違った非難」につながるのだと、あらためて気付かされた。



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