筆者が取り組んでいる「いわて自死遺族支援モデル事業」についての紹介と、自死を中心とした遺族支援の現状と課題について述べている。「いわて~」の取り組みについては具体的な紹介となっているため、「この部分であれば、他の機関(事業所)でも活用できるかも」という箇所も見受けられた。
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「いわて自死遺族支援モデル事業」…かかわる時期は、第三次救急医療施設への搬送や警察署や発見現場での検案という自死発生直後であり、(中略)。精神科医・保健師・臨床心理士というスタッフのいずれかが家族に直接お会いするほか、検案医・警察官から本事業についての情報提供を行う。同意が得られれば、手紙を送った後、四十九日以降に電話で連絡をとり、ニーズの把握やアセスメントを行い、必要があれば継続的な面接や精神科受診、その他の社会資源の紹介などを行っている。相談窓口を開設し、家族からの直接の相談も受け付ける。
「自死遺族」がさらされる危機的状況としては、死そのものから受ける衝撃という一次的ストレスがあり、葬儀、社会的な手続き、生活スタイルの変化、二次被害、悲嘆反応、家族間の問題、といった死別にともなう変化や影響である二次的なストレスがある。
これまで「専門家」がかかわる危機介入という文脈では「こころのケア」について取り上げられることが多かったが、衣食住、職業、家事、コミュニティ活動、学業、経済状態など、日常生活そのものに関する支援の重要性も指摘されるようになった。
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第三次救急という「スピード」を求められるであろう医療の現場においても、家族の呼吸を感じ、その思いを汲み取ろうとしている姿勢に、驚きと安堵を感じた。本書で紹介されていたリーフレットは、家族が読んでも分かりやすい言葉で、かつ具体的に書かれており、このリーフレットの内容だけでも、様々な機関で導入できるのでないかと感じた。しかし取り組みには「人材」も必要。情報提供をしただけではなく、十二分にサポートできるシステムが必須である。
専門家の育成…どの領域においても、これは永遠の課題なのだと感じた。
引用
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「いわて自死遺族支援モデル事業」…かかわる時期は、第三次救急医療施設への搬送や警察署や発見現場での検案という自死発生直後であり、(中略)。精神科医・保健師・臨床心理士というスタッフのいずれかが家族に直接お会いするほか、検案医・警察官から本事業についての情報提供を行う。同意が得られれば、手紙を送った後、四十九日以降に電話で連絡をとり、ニーズの把握やアセスメントを行い、必要があれば継続的な面接や精神科受診、その他の社会資源の紹介などを行っている。相談窓口を開設し、家族からの直接の相談も受け付ける。
「自死遺族」がさらされる危機的状況としては、死そのものから受ける衝撃という一次的ストレスがあり、葬儀、社会的な手続き、生活スタイルの変化、二次被害、悲嘆反応、家族間の問題、といった死別にともなう変化や影響である二次的なストレスがある。
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第三次救急という「スピード」を求められるであろう医療の現場においても、家族の呼吸を感じ、その思いを汲み取ろうとしている姿勢に、驚きと安堵を感じた。本書で紹介されていたリーフレットは、家族が読んでも分かりやすい言葉で、かつ具体的に書かれており、このリーフレットの内容だけでも、様々な機関で導入できるのでないかと感じた。しかし取り組みには「人材」も必要。情報提供をしただけではなく、十二分にサポートできるシステムが必須である。
専門家の育成…どの領域においても、これは永遠の課題なのだと感じた。
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