副題:-わが国のホスピス・緩和ケア病棟における遺族ケアの現状と課題-
『日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団 2002年度調査研究報告』
ホスピス・緩和ケア病棟における遺族ケアの現状を把握するため、自計式質問紙調査を実施。その結果と今後の課題について報告している。
10年前の調査であるため、現在のそれとイコールであるとは限らないが、動向を知るためには役に立つ報告であると考える。
引用
・遺族ケアの実施の有無…95.5%の施設が何らかの遺族ケアを行っていると回答
・遺族ケアの種類…カード送付(手紙送付)、追悼会の実施が最も多い
・遺族ケアの担当スタッフ…97.4%の施設は看護師が担当
・遺族ケアを行うにあたっての困難…1位 ケア提供者へのトレーニングが十分ではないこと、2位 組織としての体制が十分でないこと、3位 時間的な余裕がないこと、4位 担当する人が不足していること
・将来的に遺族ケアの中心として期待するスタッフ…1位 看護師、2位 遺族ケアの専門スタッフ、3位臨床心理士、4位 医師、5位 ソーシャルワーカー
・遺族ケアの今後の課題…1位 組織として遺族ケアを行う体制の整備、2位 遺族ケアについての教育の充実、3位 ケアの必要性の高い遺族の評価(リスク評価)
報酬に関しては、43.7%の施設において勤務外で手当はなく、病棟スタッフの「ボランティア」として遺族ケアが行われている。
上記について、そもそも遺族ケアを「業務の一環」ととらえるか、「医療サービスの付加価値的なサービス」ととるかによって、その取り組みに違いが出ると考える。
業務の一環とするのであれば、「ボランティアの業務」という認識はなくなるであろう。調査結果で「病棟スタッフのボランティア」という表現が出てきたのはおそらく、スタッフに何らかの負担感が生じている証であろう。それが賃金に関してなのか否か…。
今後の取り組みの課題に、組織としての体制整備がダントツで1位であったのは、このような背景があるからであろう。
遺族ケアは家族支援の一環であり、ホスピス・緩和においては特に、家族支援も重要なケアサービスのひとつである。
現在もなお、それを担う専門家の存在が不明瞭であることに変わりはない。スタッフが持つ知識と技術、スタッフの意識改革、組織の後方支援体制…課題はまだまだ山積みである。
『日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団 2002年度調査研究報告』
ホスピス・緩和ケア病棟における遺族ケアの現状を把握するため、自計式質問紙調査を実施。その結果と今後の課題について報告している。
10年前の調査であるため、現在のそれとイコールであるとは限らないが、動向を知るためには役に立つ報告であると考える。
引用
・遺族ケアの実施の有無…95.5%の施設が何らかの遺族ケアを行っていると回答
・遺族ケアの種類…カード送付(手紙送付)、追悼会の実施が最も多い
・遺族ケアの担当スタッフ…97.4%の施設は看護師が担当
・遺族ケアを行うにあたっての困難…1位 ケア提供者へのトレーニングが十分ではないこと、2位 組織としての体制が十分でないこと、3位 時間的な余裕がないこと、4位 担当する人が不足していること
・将来的に遺族ケアの中心として期待するスタッフ…1位 看護師、2位 遺族ケアの専門スタッフ、3位臨床心理士、4位 医師、5位 ソーシャルワーカー
・遺族ケアの今後の課題…1位 組織として遺族ケアを行う体制の整備、2位 遺族ケアについての教育の充実、3位 ケアの必要性の高い遺族の評価(リスク評価)
報酬に関しては、43.7%の施設において勤務外で手当はなく、病棟スタッフの「ボランティア」として遺族ケアが行われている。
上記について、そもそも遺族ケアを「業務の一環」ととらえるか、「医療サービスの付加価値的なサービス」ととるかによって、その取り組みに違いが出ると考える。
業務の一環とするのであれば、「ボランティアの業務」という認識はなくなるであろう。調査結果で「病棟スタッフのボランティア」という表現が出てきたのはおそらく、スタッフに何らかの負担感が生じている証であろう。それが賃金に関してなのか否か…。
今後の取り組みの課題に、組織としての体制整備がダントツで1位であったのは、このような背景があるからであろう。
遺族ケアは家族支援の一環であり、ホスピス・緩和においては特に、家族支援も重要なケアサービスのひとつである。
現在もなお、それを担う専門家の存在が不明瞭であることに変わりはない。スタッフが持つ知識と技術、スタッフの意識改革、組織の後方支援体制…課題はまだまだ山積みである。
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