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イボタノキ

2022-05-25 | 樹木 草花


名前の由来は、いぼをとることから「いぼとりのき」と呼ばれ、詰まってイボタノキになった

モクセイ科の山野の林縁に見られる落葉低木、暖地では冬も葉の落ちないことがある
葉は対生し、2~7cmの長さの長楕円形で、全縁
先は尖らず丸みを帯び、基部はクサビ形で質は薄く光沢はない

花は5~6月、新枝の先に総状花序を出し白い小さな花を付ける
花冠は1cm弱の筒状漏斗型で、先は4裂する
雄しべは2個で葯は花筒から少し突き出る、雌しべは短い
果実は6mmほどの楕円形で、10月頃から紫黒色に熟し、冬でも残っていることが多い

この木にはイボタカイガラムシ(イボタロウムシ)が寄生する
メスが暗褐色で1cm程の球形のカイガラを作り、5月頃卵を産み付ける
6月に孵化し葉から枝に移り、白蝋を分泌して群生し、この中で蛹になり成虫になると、9月頃蝋に小穴を開けて飛び出す
残った蝋を採取したものは、生薬虫白蝋でいぼ取りに使われる
融点が高く、夏でもべとつかないので、敷居の滑りを良くし、家具の艶出しにも使う
蝋を強壮、利尿などに使うのは疑問という説もある