トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

ブラシノキの花と実

2017-11-15 | 樹木 草花
 

青空に真っ赤なブラシノキが映える

フトモモ科の常緑低木~小高木
この仲間はオーストラリアに約30種が自生し 日本ではブラシノキ ハナマキ マキバブラシノキなどが栽培されている
花はブラシ状に咲くが この赤いのは雄しべで花びらや萼は緑色で小さく退化している

花が集まっている枝の中心から枝が伸びて 花後も伸び続け翌年には延びた枝先に花が咲く
花はそのまま丸く玉のような実になって枝にぎっしりと付く
枝をたどると前年の実 前前年の実 更にその前の実がずっと古い枝についている
この実は木が生きている限りずっと種を閉じ込めたまま枝に残る

いつ種を散布するのかー
山火事に会うなどして木が枯れたときだけ実の口が開いて種が散る
乾燥大陸オーストラリアでは山火事が頻繁に起きる 
そんな環境に適応して種を散らす独特の仕組みを進化させたと言われている


コウヤボウキの花

2017-11-14 | 樹木 草花


高野山で枝を箒の材料にしたことからコウヤボウキ(高野箒)の名前が付いた
その昔竹は竹槍として武器になるので植えるのを禁じられていて 竹ぼうきの代わりに使われた

キク科の山地の日当たりの良い林縁などに生える落葉小低木 1m位になる
キク科で木本は珍しい キク科植物は世界に23000種以上と言われているが木本は約3%
コウヤボウキ属には多年草と小低木があるが 小低木はコウヤボウキとナガバノコウヤボウキの2種のみ

花は9~10月本年枝の先に直径1cm程の頭果を1個づつ付ける
頭花は白い筒状花が10数個集まっている
筒状花の花冠は5裂し裂片は反り返っている

ガマズミの実

2017-11-13 | 樹木 草花


ガマズミの名の定説はないが 漢名の「莢迷」の音読みキョウメイがカメに転じ更にガマとなりそれに酸実が結びついてガマズミになったと言われる

スイカズラ科の丘陵から山地に生える落葉低木 5m程になる
日本固有種
葉はこの時期 橙からやや淡い赤色になるが 日当たり具合で黒ずむことも多く鮮やかな紅葉にはならない
花は5~6月 枝先に8cmほどの散房花序を出し白い小さな花を多数つける
果実は核果 7mm程の広卵形で9~11月に赤く熟す

花(6月のもの)

コガタカガネグモ

2017-11-12 | 虫類


先週出会ったコガタコガネグモ 少し時季外れのせいか網も張らずにウロウロしていた

円網を張りX字型の隠れ帯を付けて中心にとまる
隠れ帯は虫を誘引する効果があると言う
音に敏感で人が近づくとすぐに網から飛び降りてしまう
出会ったのはメスで大きさは10mmほど(オスは半分ほどの大きさ)
出現期は7~10月

クモは日本には1600種ほどいるが全種が捕食性で 節足動物など生きた獲物を捕らえて外から消化液で溶かし その液をすする 多くのクモは獲物をマヒさせるための毒を持つが ゴケグモなど一部を除き人間の命を脅かすケースはないと言われる
少し前だがセアカゴケグモと言うドクグモが見つかり騒ぎになったが その後どうなったのだろうか

キマダラカメムシ成虫

2017-11-11 | 虫類


今年の9月にサクラの木にいる幼虫を見たのだが 今度は成虫に会えた

成虫で越冬し4月から11月に見られる
台湾~東南アジア原産の外来昆虫で 1770年代にスウェーデンの博物学者カルル・ベーテル・ツュンベリーが長崎の出島で採取した その後150年間再発見されなかったが近年各地で見つかり分布が広がっている
東京では2010年に生息が確認されている

サクラやカキなど25種類もの植物に幼虫成虫共に寄生する
市街地 街路樹 庭木などでも見られる
大きさは2cmほどだった

幼虫(9月のもので9月28日にアップしたもの)

コバネイナゴ

2017-11-10 | 虫類


大きなメスに乗って交尾中のコバネイナゴ
成虫になっても翅が短く腹部が見えているものが多くこの名があるが長翅型もいる
普通イナゴと言えばこのコバネイナゴで最もポピュラーなイナゴ
イネ科の植物を好みイネの害虫となっている

卵で越冬し7月から12月頃まで見られる
水田や湿った草地に居るが 水田では農薬散布が進んで見かけなくなったと言う
大きさはオスが30mm メスが40mm

ツグミ

2017-11-09 | 野鳥


冬鳥として最もポピュラーな小鳥の一つ もう都心の公園に現れた

冬鳥 秋にシベリアから渡って来て山で一休み その後里へ下りて来て市街地でも良く見られる
群れで居るものと一羽で居るものがいる
地上を跳ね歩きながら時折立ち止まって胸を張る
この動作を繰り返しながら土中のミミズ類や 昆虫類の幼虫などを捕り 木の実もよく食べる

雌雄同色 雌雄や年齢の識別は困難だが個体変異があり褐色から茶褐色 色の濃いもの薄いものなど様々
大きさは24cm

ジョウビタキ

2017-11-08 | 野鳥


夏鳥が去って カモ類 小鳥類の冬鳥がやって来ている

冬の使者ジョウビタキ(尉鶲)10月頃から姿を見せ始めたと情報が飛び交った
名前のジョウ(尉)は翁の意味でオスの頭を銀髪に見立てた
ヒタキ(火焼)はヒッヒッと言う鳴き声が火打石の音に似ていることによる
また 上等なヒタキと言う解釈もある
羽の白斑を紋付に見立てて「もんつきどり」の愛称もある

冬鳥 全国にやって来て市街地から山地の公園 農耕地 河原 草原などに住む
渡来してすぐにヒッヒッと高い声で鳴き縄張り宣言をする
日本の冬を過ごすため オスもメスも自分の食べ物を確保するため一羽で縄張りを持つ
主に昆虫類やクモ類を捕り 様々な草木の実も食べる

オスは銀髪の頭と黒い顔で独特の色彩
メスは灰褐色で腰と尾羽両脇が橙色 雌雄ともに翼に白斑がある
大きさ14cm

思ひかね柴とりくぶる山里を 猶さびしとやひたき鳴くなり(寂蓮)

キビタキ♀

2017-11-07 | 野鳥


今日は24節気の立冬 いよいよ冬なのだが 都心では朝は寒かったが日中暖かく21度もあり汗をかいた

暖かいのでまだノンビリしているのだろうか夏鳥のキビタキのメスがまだいた
ゴールデンウィークの頃にやって来て結構秋遅くまでとどまっている
子育ての頃は昆虫類クモ類を主に取るが
ミズキやツリバナの実など山の実りを啄んでから南下する

メスは全体にオリーブ褐色で 喉と腹は淡色
オスは黒と鮮黄色の美しい色彩
大きさ14cm

ウォレマイパイン

2017-11-06 | 樹木 草花


ウォレマイパインはナンヨウスギ科の常緑針葉樹
別名ジェラシックツリー 和名ウォレミマツ

化石しか残っていないと思われていたが 1994年オーストラリアのシドニー西方のウォレマイ国立公園で発見され新属新種に分類された
自生樹は100株ほどしかない希少種
世界最古の種子植物とされる針葉樹で 約2億年前から生きている「生きた化石」 2億年前は中生代三畳紀
同じく生きた化石と言われるメタセコイアは 日本で新生代の化石が見つかっており 自生樹は1945年中国で見つかった  イチョウは中生代ジュラ紀(1.3~1.8憶年前)に最も栄えたと言われている

樹高は40m程になり 寿命は1000年 花期は4~5月
苗木をどんどん育てて販売し収益を保護費用に使っているそうだ

バラ展

2017-11-05 | 樹木 草花


植物園でバラ展を見た バラ展は作出された品種なので見た事が無かったのだが 見事な花が並んで楽しめた
変わっていて気になったものを幾つかブログバラ展です
左から順に

エンドゥバビロン:花弁の中心が色変わり
クローネンブルク:花弁の裏表で色が違う
ダブルディライト:香りがとても良い(写真じゃ分からないですね)
ブルーム-ン:青色系のバラ
ロイヤルハイネス:花弁の先が反り返っている

ペリステリア・エラタ

2017-11-04 | 樹木 草花


珍しいランに会った

ラン科ペリステリア属の多年草
属名のperisteriaはギリシャ語の鳩 属小名のerataは背の高いの意味
中南アメリカ原産のラン
大型の地生種で開花するまで10年かかる

草丈は1mほどにもなり葉は長い楕円形で 塊茎の先に数枚つく葉には縦に筋が入る
花茎を立てて総状花序を出し5cmの肉厚の白い花を付ける
花期は8~9月
唇弁とずい柱の様子が羽を広げたように見えるのでハトラン(鳩蘭)の愛称がある

絶滅危惧種でワシントン条約で国際間の取引が規制されていて国内のラン展でもあまり見かけない

アリストロキア・トリカウダータ

2017-11-03 | 樹木 草花


温室でアリストロキア・トリカウダータと言う名前も長くて分かり難いが 花がとても奇妙な形の植物があった
名前は学名をそのまま使っている

ウマノスズクサ科アリストロキア属で この属は温帯から熱帯にかけて350種ほどが分布している
トリカウダータの「トリ」は3個 「カウダータ」は尾を付けたと言う意味らしい

メキシコ原産で直立する小低木 互生している楕円形の葉の葉腋に花弁状に見える萼のある10cmほどの花を咲かせる
花弁は無く独特の形の萼が発達し 3個のひも状の部分は初めは絡まっているが 咲き進むに従って広がって行く
宇宙人のようとか スルメを干したようとか言われる不思議な形をしている

キボシカミキリ

2017-11-02 | 虫類


木の枝でキボシカミキリが交尾の真っ最中

黄色い斑紋があるのでキボシカミキリと言う
触角が体の2倍以上あるのも特徴のカミキリムシ

イモムシ型の幼虫で越冬し5月から10月頃まで見られる
本州以南に分布していて 庭 林 桑畑などに居る
クワやイチジクなどクワ科の生木の樹皮や葉を食べる害虫
大きさが3cmくらいあった

ツマグロヒョウモン♂

2017-11-01 | 虫類


翅の下の方がヨレヨレのツマグロヒョウモンがダリアに止まっていた
雌雄で模様が違っていてメスは前翅の外側が黒くて分かり易いのだが オスは他のヒョウモンチョウと似ていて分かり難い

幼虫で越冬し 4~11月頃まで見られる
南の方のチョウだったのだが 分布が北に拡大しており 関東では1990年頃に定着し 東京付近では2000年代に入り普通に見られるようになった
山頂部にも飛来するなど 山地にも進出している

食草がパンジーなどのスミレ類の栽培種を好み 在来種ではタチツボスミレやスミレなど
パンジーはあちこち植栽されているので としぶでも多くなったと言われている