もりのくまとテディベア/詩・谷川俊太郎 絵・和田 誠/金の星社/2010年初版
谷川俊太郎さんの絵本は、文ではなく詩なんですね。
もりのくまと、くまのぬいぐるみテディベアを同時並行的に描きながら詩はすすみます(もりのくまとテディベアのページでは字体が異なっています)。
もりのくまは恋をし、家族をつくり、年をとり、「目をつむりおちばのうえによこたわり、静かなためいき ひとつして」死んでいきます。
テディベアは、ショーウィンドウからある子どものへやに。
役割をおえたテディベアは屋根裏にしまわれ、やがてアンティークショップへ売られていきます。
居場所がかわってもテディベアは、としをとらず、ただすりきれ、ほころびるだけ。でもけっして目を閉じることはないテディベア。
“いのちとはなんでしょうか。深い思索に満ちた絵本です。はちみつの甘さを知らないテディベア 瞳に何をうつしているの”と問いかける俵万智さんのコメントが、ぴったりします。