どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

やきいもの日

2013年10月29日 | 絵本(日本)
やきいもの日  

    やきいもの日/村上 康成/徳間書店/2006年初版

 

 落ち葉で焼き芋という風景もみられなくなってきました。ダイオキシンの問題もありますが、住宅密集地では隣近所との関係で困難。都会ではそれほど広い公園もなくみられないのが残念です。

 女の子とけんかしてしまったりっちゃん。なかなりをしたいのに、きっかけがつくれない。
 おじいちゃんがたきびでつくってくれたやきいも
 けんかしたれいちゃんと一緒にやきいもをたべるが、目の前のれいちゃんがきになってあじがよくわからない。

 目があったふたり。おらえていたきもちがいっぺんにあふれて涙、涙
 わらって ないて、またたべて
 なかなおりした二人は、公園の落ち葉のうえにねころがって
 そらを みあげると、ひこうきぐもが

 貼り絵と一筆がきを思わせるオレンジ色を基調とした絵が、秋の風景をうまく表現しています。
 笑って、泣いてまた食べるというのに、仲直りしたいという子どもの気持ちがつたわってきました。

 最後に、「なかなおりのにおい」とありますが、どんなにおいだったのでしょうか。やきいものぬくもりを残したにおいだったんでしょうね。