やきいもの日/村上 康成/徳間書店/2006年初版
落ち葉で焼き芋という風景もみられなくなってきました。ダイオキシンの問題もありますが、住宅密集地では隣近所との関係で困難。都会ではそれほど広い公園もなくみられないのが残念です。
女の子とけんかしてしまったりっちゃん。なかなりをしたいのに、きっかけがつくれない。
おじいちゃんがたきびでつくってくれたやきいも
けんかしたれいちゃんと一緒にやきいもをたべるが、目の前のれいちゃんがきになってあじがよくわからない。
目があったふたり。おらえていたきもちがいっぺんにあふれて涙、涙
わらって ないて、またたべて
なかなおりした二人は、公園の落ち葉のうえにねころがって
そらを みあげると、ひこうきぐもが
貼り絵と一筆がきを思わせるオレンジ色を基調とした絵が、秋の風景をうまく表現しています。
笑って、泣いてまた食べるというのに、仲直りしたいという子どもの気持ちがつたわってきました。
最後に、「なかなおりのにおい」とありますが、どんなにおいだったのでしょうか。やきいものぬくもりを残したにおいだったんでしょうね。