1000000ぼんのブナの木/塩野米松・文 村上康成・絵/ひかりのくに/2005年初版
くまさんの案内で、百万本のブナの木の森へ
なにより四季のワクワクする表現にびっくり。
なつには みどりの さわさわした ふくを きるし
あきには きいろや あかの ふくに きがえるんだ
1000000ぼんの おしゃれ、ためいきが でちゃう
ゆきが やみ かぜの においが くすぐったくたくなる ブナの木やまが ほんのり あかく なってきます
はるを つげる きつつきの ドラミンゴの おとが ひびきます
はるの やまは わらっています
もこもこ わくわく うれしいのです
ふるさとの秋田の近くに、自然遺産に指定されている白神山地がありますが、ブナで有名な白神にいったことがないのが残念です。
それでも住んでいたところから小一時間もあるけば山の森のなかへはいることができたので、この絵本に描かれた鬱蒼とした森のイメージが想像できました。作者は秋田出身とあるので、白神山地をイメージしてこの絵本をつくったのかもしれません。
外国語は知りませんが、こんな多彩な日本語の表現を目にすると、あらためて日本語のよさが実感できるところです。
「はるだ。はるだ。ねびらきが はじまったぞ」とこぐまがさけぶのも、はるを待ち望んでいた気持ちがあらわれているようです。
ブナの果実は多くの哺乳類の餌となりますが、ブナは基本的に毎年不作であり、5-10年に一度豊作になるだけとあるので、不作の年は、動物たちはどう過ごしているんでしょうね。
白神山地のブナ林の四季を描いた写真絵本とはまたちがった趣きがありました。