どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

黒いさくらんぼ・・スイス

2014年01月19日 | 昔話(ヨーロッパ)

      黒いさくらんぼ/子どもに贈る昔ばなし4 黒いさくらんぼ/小澤俊夫監修/小澤昔ばなし研究所/2006年初版
      黒いさくらんぼ/子どもに贈る昔ばなし9 うさぎ楽土/小澤俊夫監修/小澤昔ばなし研究所/2008年初版


 ある国の王女が病気になり、この病気は黒いさくらんぼを食べさせなければ治らないということから、この黒いさくらんぼを持ってきた者を王女の婿にするというおふれを出します。

 冬の最中でも黒いさくらんぼのなる木をもっていた父親は、三人の息子に黒いさくらんぼを持たせて王さまのところに持っていかせます。

 長男と次男が失敗し、末息子が無事にさくらんぼを届けることに成功しますが、王さまは王女と末息子の結婚を許す条件として難題を出します。
 末息子は、この難題も無事にクリアすることになりますが・・・・。

 小澤昔ばなし大学の再話コースからうまれたものであり、この大学で学んだ方がたまたま同じ話を再話したようですが、二つの再話グループの表現が微妙に違っています。

 三人息子が、一方では<長男、次男、すえっ子>、もう一方では<一番上の息子、二番目の息子、すえ息子>と表現されているほか、上の二人は「ごうまんでいじわる」とされているのが、片方では三人の息子とさらりとしている。

 また話し言葉で表現されているのが、一方では地の文で説明されている。
 
 二つの再話は、原文を生かしながら工夫されているので、違いがどうということではなく、お話のテキストを選ぶ際に大いに参考になりそう。

 やたらと地の文が続くものがあったりしますが、登場人物に語らせるとやわらかな感じがでそうです。