どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ちいさなとりよ

2014年01月25日 | 絵本(外国)
ちいさなとりよ  

    ちいさなとりよ/N・W・ブラウン・文 R・シャーリップ・絵 与田准一・訳/岩波書店/1978年初版

 

 絵本の作り方も一様ではなく、絵のみ・文章のみのページが交互に繰り返されています。

 小鳥の死(原題は「THE DEAD BIRD」)をあつかっていて、絵だけを見ていても分かる内容です。

 子どもたちが登場するので、にぎやかな声が聞こえてきてもよさそうですが、伝わってくるのは静寂さだけでした。

 野原に横たわっている小鳥をみつけた子どもたちが、触ってみると、まだあたたかさが残っていましたが、小鳥の体がだんだんかたくなります。
(このへんは文章がないと伝わりにくいところ)

 子どもたちは森の中に小鳥を丁寧に埋葬し、レクレイムの歌をうたいます。

 そして「しんだとりここにねむる」とかいた石の墓標をつくり、毎日、花をかざり、歌を歌います。

 人生では、もっとも死とは遠い存在のはずの子どもたちと「死」を対比させています。